一番最初、鶴亀算のプログラムをしました。どんな数字をいれても瞬時に答えを出す。それがコンピューターでした。正しい答え。それから手強いなと想ったのは、三目並べでした。もうかれこれ30年ほどの昔です。コンピューターは勝つか引き分けになるかしかないプログラムをつくったのです。占いのプログラムもつくりました。それからAIの研究をしました。ロボットが考えたり言葉を理解したりすることは、当時、わたしにとってはわくわくする出来事のように思えました。だけれどもAIの研究で、最初にやったのは積み木の世界だったのです。どの積み木がどの積み木の上に乗っているかという関係性をプログラム言語にするというものでした。そのときは、大学生でしたので、真面目にただただ正しいプログラムをつくること、正しく動き、性能がよいものをつくることが大切だと想っていたのです。ところが数年前に人工知能の父、といわれてミンスキーが亡くなりました。その方が積み木の世界という論文をも書かれていたのです。ON(A B) という風にかいていくものでした。だけれども、恩、という風に最近は想えてきたのです。子供の頃、やわらかい日差しの中で積み木でものをつくったりしていた頃に出会ったさまざまなこと。それに恩を感じてきました。それと同時に、年を経るにつれて、絶対に負けないゲームのプログラミングなんて、つまらないような気持ちもしてきたのです。やはり人間同士が向かい合って、大負けしたといってワハハハハハハハと笑いあうような時間が大切なんじゃないのかなっておもえてきました。子供用のプログラミング教室もあるみたいですね。
