JACK pot Jungle のブログ -3ページ目

JACK pot Jungle のブログ

JACK pot Jungle とは?
ニコニコを中心に活動するクリエイター集団()
◇構成員◇
TPM / もりてん / さきいか / さんそん / 大弁吉之信

この誰かが気まぐれに更新するブログです

お久しぶりです。
さんそんです。

今日は僕の大学における研究テーマの「日本企業のグローバル展開」の中から、「日本の伝統的な食文化である日本酒」についてお話したいと思います。

世界における日本酒の現状
フランス・イタリアなどで生まれたブドウのお酒、ワインは今や世界中で親しまれるお酒となりました。日本全国どこにいってもワインが飲めない場所がないほど、その浸透力やグローバルの究極型と言っても過言ではありません。一方で、日本酒はどうかというと、「Japanese Cool」という標語が生まれたように、寿司やラーメンほどではありませんが、アメリカやヨーロッパなどの先進国では日本食のお供に提供されるようになったようです。しかし、ワインが世界規模であるのに比べて、日本酒はあくまで流行りの産物。日本食が廃れてしまえば、日本酒などあっという間に世界規模から全国規模に舞い戻ってしまうでしょう。では、日本酒はどうしたらこのグローバルマーケットで生き残れるかをいくつかの視点から考察してみたいと思います。

販売経路の問題
日本酒は如何にして世界に広がっていくのか。この問題は今後日本酒が世界で生き残っていく上でとても重要な問題になります。「日本から輸出して、アメリカとかヨーロッパの国々が輸入すればいいじゃん。」と言ってしまえば簡単ですが、現実はそうはうまくいきません。現在日本には、宝酒造や月桂冠などの機械を用いて大量生産を行う大手酒造メーカーや、伝統的な技法を守り続ける中小酒造メーカーがあります。そういったメーカーから、商社などの卸売業者、海外における卸売業者、海外の日本食レストラン・小売業者と下図のように流れていきます。

米国における日本食品の一般的な流通経路

大手酒造メーカーであれば、その資金力やコネクションに物を言わせて、こういった経路を利用することができるかもしれませんが、中小酒造メーカーともなれば、そもそも日系商社に交渉する時点で商談が頓挫することも容易に考えられます。では、中小酒造メーカーが日系商社を介さず、直接現地の海外卸売業者や海外日本食レストラン・小売業者にアクセスすればいい話ですが、ここが現在一番問題視されている部分なのです。中小酒造メーカーには、海外市場に詳しいマーケター(調査する人)がいないため、現地の情報が手に入りません。また、長期にわたって海外企業と取引するだけの人材や資金が不足しています。例を挙げたらきりがないのでこれくらいにしておきますが、要するに様々な点で海外と接点を持つことが難しいのです。このような状態で、中小企業から美味しい日本酒を発信するのは無理があると言えます。大手酒造メーカーのみが、日本酒を世界に発信するという形でもいいかもしれませんが、本当に美味しいワインは原産国の小さな酒造メーカーから、ほんの少しだけ生まれるように、大量生産が生み出す日本酒には限界があると私は思います。よって、次章からは如何にして中小酒造メーカーが海外展開を行っていくのかを今週末に企業訪問する「飯沼本家」という千葉県の酒蔵を題材に考察していきたいと思います。

飯沼本家ホームページ

みなさんも日本酒を嗜んでみては如何でしょうか。