夜になると少輔が来たが、四の君は泣いて、全くでて来ない。
中納言は怒って、
「どうしてそんなに嫌う相手を、忍んで呼び寄せていたのだ。誰も知らないうちならまだしも、こうして露顕をして世間に広く知られたうえで、そんな風に言うなんて。親兄弟に恥をかかせるつもりか!」
そう傍について攻め立てるので、四の君はつらく悲しいけれども泣く泣く少輔のもとへと出て行った。
少輔は四の君が泣いているのを妙だとは思ったが、何も言わずに共寝をした。
こんな風に、四の君も「情けないこと」と思い悩み、北の方も「何とか二人を離縁させたい」と躍起になるが、中納言が「面白の駒に捨てられたと世間に言われるのは恥だ」と言うので何とか気持ちを抑えた。
こうして少輔が来る夜も来ない夜もあったが、この二人が結ばれることは前世からの宿命だったのだろうか、何と四の君がつわりになってしまった。
「何とか子供ができないかと思う蔵人の少将と三の君の間には子ができず、あんな痴れ者の子孫だけが広がるなんて。」
と北の方が言うのを聞いて、四の君もああ本当だと思い、
「何とかして死んでしまいたい・・・」
と思う。
* * * * *
なんと四の君が姫の口癖を言うようになってしまいました。
少将の復讐劇の恐ろしいこと・・・。
それにしても、ここまで先を見通した物語を作るとは、落窪物語の作者も恐ろしいですね・・・!
中納言は相変わらず自分の評判を気にするばかり。
兵部の少輔は泣いている四の君を気遣いもしない。
北の方も中納言の言葉には逆らえず。
四の君は望まず懐妊してしまいました。
中納言家にはこれ以上不幸が訪れるのでしょうか?