私立大学の場合、「法人」と「教学」の2つで成り立っています。

「法人」は理事長をトップに大学の管理運営を司っています。例えば人事、経理、施設管理、広報、企画、入試などいわゆる総務課、庶務課、経理課、入試課、施設管理課などがあり、そのトップが事務局長ということになります。

「教学」は、教育課程、カリキュラム、授業運営など教員組織による教育部門であり、教授会をトップに教務委員会、学生委員会などがあり、教務課、学生課、就職課などがあります。

 個々の大学の運営の管理をしているのが学長であり、学長は法人理事でもあります。

 それを公立中学校に重ねてみると、「校長」を頂点に「法人」に匹敵する管理部門の実務責任者が「教頭」、教学の実務責任者が「教務主任」となるかと思います。

 ただし、「校長」の責任の下ではありますが、「教頭」「教務主任」はそれぞれ一人で担っています。学校の人事、施設修繕、渉外(PTAや地域連携)、など運営にかかわる部分を「教頭」が一手に担っています。また、「教務主任」も時間割、授業運営、各種調査、教科書選定などを一手に担っています。

 「校長」「教頭」「教務主任」の三役が学校を運営しているといっても過言ではないのではないかと思います。もちろんその上には「教育委員会」があるのは言うまでもありません。

 特に「教頭」は激務です。年休を取りたい、夏休、当番の調整、施設の修繕、業者対応、冷暖房、行事の来賓対応ほか、PTAへの助言、評議会の運営、苦情処理、学校だよりの印刷他、何かあるとすべて「教頭」先生に集中します。人手の手配がつかない時は自らをもって補うことも多々あります。

 教員の業務量が問題となっていますが、教頭先生をはじめ管理職の業務自体をまずは理解し、考えなければならないのではないかという感想を持ちました。

 民間では管理職は人員をいかに配置して動かすかが大きな任務となりますが、彼らは部下がいませんので自ら動かなければならないのです。

 私立には「教頭」ではなく「副校長」を複数人置く場合があります。公立学校では規定等があるのでそうもいかないと思いますが、それもありかなと素人並みに考えてしまいます。

 時には悪者にならなければならない彼らがいてこそ、学校が回っているのです。

「教頭」「教務主任」で定年を迎えてしまうのは、とても残念です。「校長」になるまで頑張ってほしいと正直思います。