最近のマスコミの記事には「教育予算・教員の拡充」ということで文部科学省と財務省がやりあっているとあるが、私は財務省に軍配を上げたいと思う。

 文部科学省は教育指導内容の30%削減を行い、ついでに完全週休二日制を導入した。この時点で教員の給与が下がっていれば良いのだが下がることなく、今回教育指導内容を10%増加させるにあたって予算と教員の拡充を求めると言う、全くもって不可思議な要求を出しているのにめまいがした。

 私は今回の問題について教員の指導力低下を指摘したいと思う。確かに手のかかる子供はいる。私の経営する塾にもこれまで何人となく通われてきた。

 日本語の読み書き、会話も出来ない外国の子供達にも手取り足取り日本語を教え、どうにか高校まで行かせた。公立の小学校で見られないという理由から困り果てた母親が子供達を連れてきたのだが、本当に大変な作業であったことを覚えている。

 おかげで辛いことがあるとその時のことを思い出し、どんな苦難も乗り越えてこられる原動力となって現在に至っている。

 教員養成課程においては、学校教育は日本の人づくりといった非常に大切な分野を担っているという気持ちを植えつけるように指導強化を図って頂きたいと思う。

 そして現場においては安易な予算・教員拡充と言った要求をするだけでなく、日々教員自身の自己研鑽を行わせ、どんな状況にも対応できる指導者作りを目指していただきたいと思う。

 議員・行政とも「子供の為」という言葉に非常に弱い。然し、今回は「教員の為」の予算措置である。敢えて言うが、土曜日授業を復活するのであれば予算措置も仕方ないと思うが、現状のままでの予算措置には断固反対するとここで申し上げる。