先日、読売新聞に「特色実らず閉校へ」と言う見出しで中高一貫校の記事が特集されていた。古河市も先導的プロジェクトで高等教育機関の誘致を打ち出していることから、大学の誘致を考えているようであるが、日経新聞の記事地方・ブランド力弱い大学「全入状態化」進む大学二極化一段と鮮明にあるとおり、私立大学では早慶が志願者比率を上げている一方で、苦戦を強いられる地方私立大学の現況が報告されている。

 古河のすぐ近くの板倉東洋大学も学部の一つが東京のキャンパスに戻る予定だと言う。古河市が高等教育機関の誘致に私立大学を考えているとすれば、時代錯誤も甚だしい。

 前回の一般質問において公立(県立)の中高一貫校を知事にお願いしてみてはどうかと政策提案した。

 この質問からどの様に動くかは未知数であるが、これだけは時代錯誤であると同時にこの地域の方々が求めているものが分かっていない方々のためにも「特色実らず閉校へ」の説明を行いたいと思う。

 香川県立高瀬高校に併設された高瀬のぞみが丘中学校が2010年度末で閉校となる。2006年度から定員割れになり、2007年度の志願倍率は0.78倍で全国の公立一貫校で最低レベルだったと言う。

 新入生の保護者に入学させた理由を聞くと「学力を伸ばせる」が20.5%で「部活動にしっかり取り組める」3.2%を大きく上回っていたという。

 そこで、土曜に課外を実施、先取り授業も取り入れたが、「保護者にはあえて一貫校に通わせたいと思える特色と映らなかった」のだという。

 時代が求めているのはゆとりや特色ではなく、これからこの厳しい世の中を子供達が生きていく術を与える機会なのであると私は信じて疑わない。

 来る6月8日に全国統一で大手中学受験塾が学力テストを行う。我が社も公認会場となり、受験生を迎える訳であるが、その潜在規模には驚かされる。

 古河から受験し、通うことの出来る公立の中高一貫校は無い。それでも20名を超える受験生が集まり、遠くは旧三和からわざわざ申込に来校された方まであった。

 古河市の子供達の学力向上を頭打ちにするのもしないのも、一貫校を誘致するしないにかかっているといっても過言ではないと思う。それも大学進学を念頭に置いた進学校を誘致してあげねばならない。

 学力競争では勝者のみが賞賛されるが、敗者がいかに努力して向上心を持ち、自己研鑽に努められるかを試す試金石であると考える。

 学力競争は勝者ばかりがクローズアップされるが、敗者も又底上げが図られ、全体の学力向上に繋がるものと私は信じて疑わない。