民間で子供達を教育している立場から、私はいつも向上心についてお話をさせていただいている。ぬるま湯にどっぷりとつかった今の子供達には無縁の言葉かもしれないが・・・

 この地域の現在の教育環境は劣悪な状態にある。県内の公立高校の競争率はないといっても過言ではなく、受験を迎える子供達に緊張感を求めるのは難しい。

 一部の優秀な生徒達はバスや電車に乗り市外に流出する有様である。これは私のところのような小さな学習塾がどれだけ頑張ってもどうにもならない事実である。

 無競争が平等かと言うとそれは非常に問題で、この地域の衰退を招く元凶を抱いている。

 茨城県が財政再建を打ち出すのであれば、先ず、子供の為というずるい言葉を使って逃げずに、県立高校の定員数削減を行い、それに伴う余剰講師、教諭数の削減をしなければならないと思う。

 先日、私の出身校に訪問した時、高校の入学者数は頭打ちで、入学者数が減っていることから中等部の開設に踏み切った経緯をお話いただいた。人口の増加している埼玉県内でもご案内の通りなのである。

 これから児童生徒数は更に減少する。競争も知らず、向上心もなく大人になってしまう子供達を作ってしまうとすればそれはそれは不幸なことであると言えないであろうか。

 この体質からか、「古河が財政再建団体になれば、全国の8割の自治体も同じになる」等と言った言葉は出ても、決して古河市がモデルケースとなろうとか、古河からこの体質を脱皮しようという発想がでないのであろう。

 昨今、私立中学受験ブームが加速している。古河市の教育行政もうかうかしていると生徒が流出して、中学校まで合併になってしまう時が来るかもしれない。