京都市内のある学習塾でアルバイトの塾講師が教え子を刺殺すると言う恐ろしい事件が起こった。被害者となった生徒のご冥福を心よりお祈り申し上げる。
 さて、現在学習塾を取り巻く環境はめまぐるしい変化を受け、消費者から様々なニーズを要求されている。
 学習塾の地位向上かとうれしい反面、本来教育をきちんとすべき国の方針、塾・学校といった教育現場の制度疲労も見逃してはいけない問題を含んでいる。
 学習塾や予備校ではお客様の満足度で人気を保ち、会社を経営する。一方、学校は顧客満足度という縛りは無く教師の方針によって授業を展開できる。
 株式会社は株主の利益追求と生徒の満足度を両立させなければならず、現場講師のストレスやプレッシャーはかなりきついものがある。
 同じ学習指導をしていても生徒によりとらえ方が違い、また子供達にもそれぞれ向き不向きがあることを我々大人も認識しなければならない。
 失敗が許されない現場、一度担当をはずされれば、講師によっては全人格を否定されたように落ち込む者もあるのだ。講師を商品として株式会社が経営する学習塾。
 私はこの事件を肯定しているわけではない。只、現在の教育を取り巻く環境と、学歴偏重主義をもう一度日本国民の皆と考えて行きたいのである。
 教育水準は高いに越したことは無いが、頭が良いだけでは使い物にはならない。倫理観をもってよりよく生きてゆく術を子供達に教えることが大切である。