2000年9月11日(月)御茶ノ水NARU | 越智順子 トリビュート Blog

2000年9月11日(月)御茶ノ水NARU

2000年9月11日(月)御茶ノ水NARUにて



越智 順子(vo)with 石橋 敬一(b)トリオ ~ 嶋津 健一(pf)、広瀬潤次(ds)





30年の歴史を誇る、東京の老舗ジャズ・クラブの一つである当夜のお店NARU。 越智さんの出演は2回目。 前回(8月)の出演直後、別のライブで御邪魔した際、オーナーの成田さんに越智さんのライブについて伺ったところ、それは素晴らしいパフォーマンスだった、と嬉しそうに語られていた。


さあ、当夜のパフォーマンスも楽しみ、楽しみ…、と店内に入ると、ミュージシャンが控える隅のテーブルに異様な雰囲気が…。水玉模様は無いのに、何故かムーン・ビームス?新種の照明器具か?と思いきや(失礼)、観音さまを思わせる、ありがた~い荘厳なムード…、いやはや、スキン・ヘッドの越智順子さん。 これが、絶妙に似合っているから、さあ、どうする?月光ならぬ、ケッコウ、ケダラケ、いや、毛が無いだらけ・・・「その新しい髪型、上方で流行ですか? 神懸かった、髪型?」(・・・・天才アケタの放騒局か?)


 


1st.セット
① レッツ・クール・ワン(トリオ)、② やさしく歌って、③ L.O.V.E. ④ エンジェル・アイズ、⑤ イッツ・オールライト・ウィズ・ミー、⑥ ラヴィング・ユー・ワズ・ライク・ア・パーティ


先ずは、モンクのユニークさが滲み出た隠れ名曲①をトリオが演奏。 う~ん、こういう選曲、堪らない。そして、生憎の天候で、空席が未だ少し目立つ1stセットの立ち上がりに相応しく、シットリと、穏やかな②で越智さんが登場。  かつて、ニューヨーク時代に、あの"リトル"ジミー・スコットの伴奏もしたと言う、唄伴の名手、嶋津さんの微に入り細に入りのサポートが素敵な味わい。それにつけても、越智さんのツルツル頭は、珍妙な味わい???


ナット・コールで御馴染みの楽しい③から、マット・デニスの泣ける名曲④。 いやあ~、染みる~、と演歌の花道のように(?)グッと来ていると、メドレーでアップテンポな⑤に突入。 お~っ、ヤラレタ!という感じ。  締めは、普段は聴けない広瀬さんのファンク・ビートという、なかなかレアな(?)オマケも楽しい、⑥で盛り上がる。 


2nd.セット
① サンドゥ(トリオ)、② マイ・ファニー・ヴァレンタイン、③ イン・ザ・ウィ・スモール・アワーズ・オブ・ザ・モーニング、④ バイ・バイ・ブラックバード、⑤ アイ・ウィッシュ・ユー・ラヴ、⑥ スペイン


3セットあるライブの場合、客席の入りも乗りも最も充実、“サビ”状態とも言える2ndセット。 今宵のサビは、ビリッと効いたり、ホロリと来たり。  トリオ演奏でのクリフォード・ブラウン作の①に続き、登場した越智さん、ボッサ調でスムースに聴かせる②、そして、早朝の静けさを鮮やかに再現したかのような③、と非常に良い感じ。 最大の聴き所はここからで、④は何と、石橋さんとのデュオ。 奔放に暴れまわるボーカルに、グイッと切れ込むベースが、白熱のインタープレーで丁々発止。 

「ラ・メール」などの名曲で知られる、フランス・シャンソン界を代表する天才の一人シャルル・トレネ作の⑤は、白眉の名唱・名演。 越智さんがお世話になった亡きジャズ・マンの方が好きだったと言うこの美しい曲は、1964年に、ジャズ~ソウル・シンガーのグロリア・リンがスマッシュ・ヒット(トップ40で28位)されたものとしても知られているが、なんの因縁か(?)、そのグロリア・リンの伴奏をニューヨークで数年間務めていたのが、当夜のピアニストである嶋津さん。 「当時のライブでは、唯一、この曲でピアノ・ソロを取らせて貰った」という、嶋津さんにとっても大事なレパートリーであるとのこと。  今後、越智さんのライブでも、この曲がハイライトの一つになるのだろう。 最後は、オチジュン18番の一つ⑥でオレッ!


3rd.セット
① ゼア・ウィル・ネヴァ・ビー・アナザー・ユー(トリオ)、② ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ、③ フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン、④ コーリング・ユー、⑤ ララバイ・オブ・バードランド、⑥ アメイジング・グレイス

お酒も進んで、3rdセットは客席も可也の出来上がり具合。  有名スタンダード①のご機嫌なトリオ演奏に、グングン引き込まれる。  越智さんが入って、美しいバラッドで聴かせる②、メローにスイングする③に続き、CD「Exposure」にも収録されていた④。 映画「バグダット・カフェ」でのジュベッタ・スティールのバージョンや、ホリー・コールのレパートリーでも良く知られた、エキゾチックな名曲。 オチジュン・バージョンをライブで聴くのは、初めてだと思うけれど、CD同様、これは絶品! 気分は、スッカリ砂漠の蜃気楼(?)。  そして、ジョージ・シアリングがNYのジャズ・クラブに因んで作ったスタンダード⑤をジックリ聴かせた後は、待ってました!の⑥。  今宵は、パワフルに爆発、という感じと違って、内省的に、達観したかのような、ジワジワと胸に迫ってくるバージョン。  見た目は観音さま状態だが(!)、宗教を超えた、思慮深さを感じさせる深い歌唱が素晴らしい。