1月の5年生クラスの実験テーマは、「モーターのしくみと電磁石」でした。

(電気の実験シリーズ3回目)

 

電気で回るモーターは、私たちの身のまわりでたくさん使われています。

洗濯機、ドライヤー、ミキサー。電車やエレベーターが動くのもモーターのおかげです。

 

では、なぜモーターに電流を流すと回るのでしょうか?

それを調べるために、まず、モーターを分解してみました。

 

プラスチックのフタをはずし、中の回転する部分を取り出してみると、赤いエナメル線がグルグルと巻きつけられた「コイル」になっています。

一方、本体の壁には黒い板のようなものが2枚はりついています。

 

「……磁石かな?」

 

方位磁針を近づけると針が動きました。やはり磁石です。

 

磁石が入っているということは、磁石の力を使って回していると考えられます。

ですが、回転する部分も磁石だとしたら、N極とS極が一番近づいたところで止まってしまいますね。

回転し続けるには、磁石が回っていく途中でN極とS極が入れ替わる必要があります。

しかし、本当にそんな不思議なことが起きているのしょうか?!

 

さっそく、実験で調べてみましょう!

 

さっき取り出した回転部分(コイル)を方位磁針に近づけても、針は動きません。

ところが、コイルに電流を流してみると・・・針が動きました。

 

コイルが“磁石になった”のです。

さらに、電流を流す向きを逆にしてみると、針が逆向きに動きました!

 

          

 

電流の流れる向きは、コイルが回転するたびに逆向きになります。

つまり、回りながら磁石の極が入れ替わっていたということがわかりました。

 

      

 

モーターのナゾは解けましたが、「コイルに電流を流すだけで磁石になる」なんてちょっと信じられませんね。

 

ためしに、ストローに導線を巻きつけただけのシンプルなコイルに電流を流してみると、ちゃんと磁石になりました。

 

「磁石にはなったけど、すごく弱いよ」

 

そこでひと工夫。ストローの中に鉄くぎを入れると、ずっと強い磁石になります。

クレーンのように、ゼムクリップを持ち上げることもできました!

 

                 

 

実は、コイル状になっていなくても、導線に電流を流しただけで磁力が生じます。

導線のまわりに方位磁針を置いて調べてみると、電流の進む向きに対して時計回りの磁力ができていることがわかりました。

 

導線を丸めると、この磁力が重なり合って強くなります。

さらに、コイル状にどんどん巻いていくと、ますます重なってより強い磁力が生まれます。

 

「だから、コイルにするんだね!」 ナットク顔の子供たち。

 

モーターのヒミツがすっかりわかったところで、コイルモーター作りに挑戦!

 

エナメル線を円盤状に巻いてコイルを作り、エナメル線の両端を紙やすりでみがいてエナメルをはがします。このとき、片面ははがさないようにみがくのがポイント。

 

完成したコイルを受け台に乗せて電流を流し、磁石を近づけると・・・

 

「回った、回った! けっこう速い!!」

 

   

 

身近なモーターの不思議をとことん掘り下げ、しくみを学びつくした回でした。

 

 ※写真・動画は別年度のものです。