12月の3年生クラスの実験テーマは、「水の三態①(氷・水・水蒸気)」でした。
物質には、鉄やガラスなどの「固体」、水や油などの「液体」、空気や酸素などの「気体」の3種類があります。
と言っても、鉄=固体、水=液体と決まっているわけではありません。
たとえば、溶鉱炉の鉄は融けて液体になっているし、水蒸気は気体です。
ドライアイスは二酸化炭素が凍ったものです。
つまり、固体・液体・気体は、物質の種類ではなく物質のそのときの状態を表しています。(だから、物質の三態と呼ばれます。)
物質が三態のうちのどれになるかは、温度によって変わります。
そこで、水の温度を変えていくとどう変化するか、調べることにしました。
まずは、水を冷やしてみる実験。
水の入ったビーカーを、氷と食塩を混ぜたもの(「寒剤」)の中に入れ、ガラス棒でかき混ぜながら1分おきに水の温度を測っていきます。
水の温度が徐々に下がり、0℃近くなると……
「なんか、ビーカーの底がつるつるしてきたんだけど⁉」
それは、凍り始めた証拠。
さらに冷やしていくと、氷は厚くなっていきますが、温度は0℃のまま変わりません。
「おかしい!」「なんで下がらないんだろう?」
と不思議がる子供たち。
水が氷に変化していく間は、温度はずっと変わらない、というおもしろい性質があるんですね。この温度が「凝固点」です。
しばらく冷やし続けて全部が氷になった後は、0℃よりも温度が下がりました。
次は、水をあたためる実験。
水を入れたビーカーを、実験用コンロの火であたためます。
(突沸しないように、沸騰石もを入れました。)
冷やす実験と同じように、ガラス棒でかき混ぜながら1分おきに温度を測っていきます。
あたため始めるとすぐに小さい泡が見えましたが、これは水蒸気ではありません。
水にもともと溶けていた空気が出できたものです。
50℃あたりから、もう少し大きい泡が現れてきました。この泡は水蒸気です。
「もう、お風呂より熱いよね」「さわったら大変~」
さらにあたため続けると、泡がだんだん大きくなり、水面に浮き上がってきました。
「80℃って、ヤバくない?」「沸騰石が踊ってる!」
温度が上がるにつれて、子供たちの興奮度も増していきます。
とうとう、ボコボコと沸騰しました。温度は100℃。
しばらく沸騰を続けましたが、100℃のまま変わりません。
凍る時と同様に、水が水蒸気に変化していく間は、温度は変わらないのです。
この温度が「沸点」。
最後に、記録した温度変化を折れ線グラフにしました。
折れ線グラフを描くのは初めて、という子も上手に描けました。
グラフの所々に、水の変化の様子を書き込んで、完成
身近な「水」の三態変化の様子を、じっくり観察した実験でした