10月の3年生クラスの実験テーマは、「『溶ける』とは何か②」でした。 

 

前回の実験(「『溶ける』とは何か①」)で、水に何かを溶かす時、これ以上は溶かすことができない限界量(=溶解度)があることを学びました。 

今回は、溶解度が物質によって、また温度によってどう変わるかを調べました。 

 

調べる物質は、ホウ酸と食塩。温度は、20℃と60℃で比較します。 

 

溶解度の測り方は、前回の砂糖と同様に、「決まった量ずつ入れて溶かしていき、溶けなくなったら、それまでに入れた量が溶ける限界量」という方法。 

ただし、砂糖ほどたくさんは溶けないので、一度に入れる量は3gにしました。 

 

まず、ホウ酸から実験。 

 

100gの水が入ったビーカーを2つ用意し、1つは室温のまま(約20℃)、もう1つは湯せんで60℃にします。 

それぞれにホウ酸を3gずつ入れて混ぜ、溶け切ったらまた3g入れて……と繰り返します。 

 

 

 

20℃の方は、2回入れただけでもう溶け切らなくなりました。つまり、溶解度は3g。60℃の方はもっとたくさん溶けて、12g。

同じ物質でも、温度が違うと溶解度が大きく変わることがわかりました。 

 

次は、食塩の実験。 

 

同じやり方で調べると……60℃の方がたくさん溶けるはず!との予想に反して、どちらの温度も同じ36gでした。(※より精密に調べれば~2gの差はあります。) 

 

「え~、同じなんだ!」と驚きの声びっくり
温度が違っても溶解度があまり変わらない物質もある、ということがわかりました。 

 

続いては、水に溶けた物質を“取り出す”方法を考えてみましょう。 

 

ホウ酸の場合、温度によって溶解度が変わるので、限界まで溶かした溶液(=飽和水溶液)の温度を下げれば、溶け切れなくなった分が結晶になって出てきます。 

さっきの実験の60℃のビーカーをお湯から出して置いておくと、白い結晶がたくさん現れました。

 

 

この結晶を、ろ紙でろ過して取り出しました。 

 

 

 

「これが、さっき水に入れて溶かしたホウ酸なんだね……」と感慨深そう。

 

ろ液も飽和水溶液なので、氷水に浸けてさらに冷やすとまた結晶ができることも確認しました。 

 

食塩の場合は、温度によって溶解度がほとんど変わらないため、同じ方法では結晶を取り出せません。そこで、水を減らすという方法を使います。 

 

蒸発皿に飽和水溶液を少量入れてアルコールランプで熱すると…… 

 

 

 水が蒸発して、食塩の結晶ができました! 

 

結晶は、物質によって形が決まっていて、食塩の結晶はサイコロのような立方体です。 

ゆっくり時間をかけて結晶を作ると大きなものができるので、形がよくわかります。けれども、小さくても形は同じです。 

 

試しに、調味料として普段使っている食塩をルーペで見てみると、

 

 

 

「ほんとだ! サイコロの形!」と歓声があがりました。 

 

砂糖の結晶も特徴的な形で、「とんがりコーン」の箱のような少しつぶれた六角柱です。 

 

氷砂糖がこの形をしていますが、実は自然な結晶の形なのです。グラニュー糖や上白糖もルーペで見ると小さな六角柱であることがわかりました。 

 

物質を水に溶かして、また取り出して、「溶解度」のおもしろさ音譜を堪能した実験でした。 (ついでに、氷砂糖の味も堪能しましたニコニコ!)