夏イベント第三弾は、「風のしくみ ~膨張と収縮~」(5・6年生向け)でした。
今年の夏は猛暑続きで、ときおり涼しい風が吹いてくるとホッとしますね。
この「風」は一体どのようなしくみで吹くのか、探究していきましょう!
水槽の中にアヒルのおもちゃを置きます。このアヒルのいる場所に風を吹かせるとしたら、どうすればよいか?というのが最初の課題です。息を吹き込んだり、扇風機を使うのはNG!
「どうすればいいんだろう……」
「ヒント。部屋の中で空気が動くのは、どんな時?」
「あ、冷房! 冷たい空気が下に行く!」
「そうだね。反対に、あたたかい空気は上に行くね」
それを利用して、水槽の中で風を作ってみよう
水槽のフタの端に保冷材を貼りつけ、反対側の底に熱湯を入れた容器を置きます。
空気の流れが見えるように線香を立てて、フタをセットすると……
線香の煙が、お湯の側では勢いよくあがり、保冷材の側では下に押し戻され、水槽の中でゆっくりと回り出しました。(いわゆる対流です。)
そして、アヒルのいる所をよく見ると、煙が横に流れる様子が見えます。
「風、吹いてるね!」「ちょっと煙たそうだけど(笑)」
見事、水槽の中で風を吹かせることに成功しました
「あたたかい空気は軽い」ことをもっと実感するために、“気球”の実験もしてみました。
45Lのゴミ袋を2枚つなげた大ビニール袋に、ドライヤーで熱気をためます。
3・2・1・0!で手を放すと……フワフワと天井まで上がっていきました
では、なぜ、あたたかい空気は軽く、冷たい空気は重くなるのでしょうか?
ビニール袋に空気を少し入れて口を閉じ、熱湯につけてみると、袋が膨らみます。
反対に、氷水につければ、袋はしぼんでシワシワになります。
つまり、空気はあたためると膨張して密度が小さくなり、周りの空気より軽くなるのです。
反対に、冷やせば収縮して密度が大きくなり、周りの空気より重くなります。
このため、上昇気流と下降気流が生じて対流が起こり、空気の流れができる――
これが風の吹くしくみ、というわけです。
実は、「あたためると膨張し、冷やすと収縮する」のは、気体だけではありません。
液体や固体でも起こります。そのことを確かめる楽しい実験を2つやってみました。
まずは、“手作り温度計”実験。
フラスコに色水を満タンに入れてゴム栓をし、長いガラス管を差します。
そして、フラスコをアルコールランプで熱したり、氷水につけたりすると……ガラス管の中を色水が昇ったり降りたりする様子が観察できました!
最後は、水で、風のような現象が起こせるかチャレンジ!
水槽を薄い板で2つの部屋に仕切り、それぞれに温度の違う色水を入れておいて、仕切り板をサッと引き抜きます。すると……
予想した通り、あたたかい水が上に、冷たい水が下に、勢いよく流れこみました!
風や水の流れを作り出し、少~し涼しさを感じられた夏の一日でした