6年前の今日
この抹茶をお出ししているこの写真を
プロフィール写真に選んだことを、Facebookが教えてくれた。
その年の始まり 2014年1月1日
国立のアグレアブル・ミュゼで行われた新年会に、持ち寄り一品、抹茶と手作りの和菓子を持って参加させてもらった。
何人の人に抹茶を点てさせてもらっただろう。
そんなこと、初めてで
自由な集まりとはいえ迷惑じゃないだろうかと恐る恐るお話したことを覚えている。
お店の石田さんと妙香さんは抹茶の器と道具が置けるくらいの小さなテーブルと椅子を用意してくださった。
そこに集まった10人以上のひとたちが楽しそうにそれぞれ宴を楽しんでいたところ
「まりん(私)が抹茶とお菓子を持ってきてくれたので、飲みたい方は小さなテーブルのところに行ってくださいね。」と誘導してくださった。
そして1人ずつ、小さなテーブルの前に来てくださった。
私は着物姿で椅子に座って、向かいの椅子に座ったそのひとりの人に挨拶して、抹茶を点てた。
ほとんどが初めましての方だった。
茶道のことや抹茶のこと、お菓子のこと、私のことに興味を持ってくださったりして、なんにも話さない時間も静かで賑やかで幸せな沈黙がそこにあった。
お菓子を一口食べ、抹茶を一口飲むと、表情が緩む。
抹茶とお菓子にはすごい力があると、その時改めて感動した。
夕方まだ日が残るころに集まって、気がついたら終電を気にする時間になっていた。
多分10人くらいの人に抹茶を点てただろう。
初めて会う私の抹茶を信頼して飲んでくださったことがとても嬉しかった。
一対一で抹茶を飲むとき、目の前の人が点てたものを飲む時、全てを見られてしまう。嘘はつけないからだ。
お互い丸裸で向き合って、抹茶を点て、飲む。
どの人もおなじでなく、どの人もそのままの姿を見せてくれたようだった。
それが茶道だ。
私は6年前のこの経験からそんな風に思っている。
この写真は妙香さんに抹茶を差し上げているところ。
新年会の翌日のものだ。
私は小さいころからうっかりしてて、このときもお店を携帯電話を忘れて翌日取りに戻ったのだ。
帰り道、電車を乗り換えるときに気づいて公衆電話からお店に電話したことをなぜか覚えている。
そんなことがあっても充実した気持ちで家に帰り、翌日は清々しい気持ちで再び電車に乗って向かった。
懐かしい想い出だ。
自由で気軽な茶道教室まりん おおつかまり
東京都渋谷区・埼玉県志木市を拠点に茶道・縫い物のお教室・イベントをしています。4月に女の子を出産し、現在は初めての子育てをしています。