"POGO2"の回航を頼まれて、、、 | なんちゃってオーシャンセーラーのブログ

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オーシャンセーリングに憧れて。。。
今は、実現に向けてヨットの整備と身の丈より少しだけ背伸びをした活動をしています。

去る2025年5月4日、いつもの台湾の若い業者?さんからLINE、、、

『お願いがあります。一つは沼津から新西までの回航、もう一つは倉庫に棚を作って欲しいです。』

 

まあ、お小遣い稼ぎだと思って

『いいよ』

と言ったものの、、、送られてきた写真は、、、

 

『は!?これって大西洋横断レースに使われるヨットじゃないの!?』

 

『そうです。”POGO2”です。』

 

『いや、嫌だよ!!大西洋のコリオリの力に逆らわないでレースするために設計されたヨットでしょ!?俺、個室トイレが無い・ギャレーが無いヨットは乗りたくないって言ってるやん!

しかも、これからの時期は駿河湾も遠州灘も熊野灘も南西の風の確率高くて6.5mのヨットでなんて前に進まないよ!しかも黒潮に逆らうことになるんだよ!!トラックで運びなよ!!』

 

『どうしても回航して体験してみたいので手伝ってください!!』

 

押しに負けて、

『天候次第で大型艇であれば3日の距離だけど5日かかるかもしれないし、1週間かかるかも知れないし、10日かかるかも知れないけど拘束時間のドアtoドアの日当貰わないと時間空けれないからいくらかかるか分からないよ?』

『それでもいいです。』

ということなのでしぶしぶ承諾はしたものの、、、

 

 

とりあえず倉庫の棚の設計をして、部材の拾い出しをして、

ホームセンターで材料を買ってきて、自宅作業場で刻みを入れて、、、

 

ハーバーの倉庫に棚を作って、、、

 

『で、?回航どうするの???どこまで準備出来ているの???』

『わかりません。ネットで見つけて買ってまだ実物見ていません。』

・・・・・

 

回航3日前、

『すみません!回航行けなくなりました。クルーのLeo君とダブルハンドでお願いします。』

・・・・・

 

5月19日

台湾から回航メンバーのLeo君が到着。

艇の販売業者にある程度状態を質問して確認して必要になりそうな燃料タンクや海図やハーネス付きライフジャケットやティーザーなどは事前に宅配便で販売業者さんに送っておいた。

 

5月20日

オーバーツーリズムのせいか新幹線の普通の指定席が取れず、回航前に疲れるわけにはいかないので経費で贅沢に人生初グリーン車!!w

 

沼津にお昼前に到着して”POGO2”とご対面、、、

えっ!?マットレスないじゃん!!!!

写真でビニールレザーのマットレスに見えていたのはローラーで塗った塗装だったのかあせる

俺、きちんとした寝台の無いヨットも乗らないよ~~~!!

 

30分ほど回航に必要な物をチェックして販売業者さんに車で買い出しに連れて行ってもらう、、、

 

駿河湾全体の25~30ノットの風が20ノットに収まる予報まで2時間、、、

 

しかし、沼津の湾は15ノット以下くらいまで風が収まったので明るいうちのとりあえず艇のチェックも兼ねて20日16:45出港、、、

 

なるほど、メインのリーフのシステムはこうなっていて、バックステイのシステムはこうなっていて、、、それほど吹き上がっていないけどなかなかのスピー、、、

 

わ~っ!!

 

ブローが入って船コケタあせる

 

でもツインラダーのお陰かラダーが抜けて完全にノーコン状態にはならないみたい、、、

 

なるほど、1ポイントリーフがやりやすくなっているのはデザイン的に微風スペシャルの艇だから順風では1ポンが必要なんだ、、、

 

が、しかし、、、セール上げてヒールしたら左舷にある船外機水かかへんやん!!

 

リーフして1ポンにしても船外機がストールしまくってスピード出んな~、、、

とりあえずエンジン止めてジブ上げよっか、、、

回航用のジブって言ってたからNo3かな?

 

わ~!またコケタ!!

なんじゃこれ???

ジブにリーフポイント付いてるやん!

回航用ってNo3じゃなくて単に古いほうのジブってことだったのねあせる

 

風上がってきたな~、、、さっきまでは”大瀬崎”のブランケットだったんか、、、

メイン2ポンにしてジブも2ポン、、、

 

やっと安定したけど、、、、ピッチング酷いな~、、、船の長さに対して幅が広すぎるんだよ、、、ってかやっぱり想像通りアップウインド向けのヨットじゃない!!

 

↓まだまだ元気な頃のLeo君、、

超ゆっくりで簡単な会話は日本語、ちょっと複雑な会話は英語、、、

 

可哀想に、ピッチングすると船酔いするらしくこの後は、、、

 

結局予報より2時間以上20ノットオーバーの風は吹き続け、、、

周りがどんどん暗くなってきて、上り一杯で清水港へ向かっていたはずなのに、流されて富士川の河口へ、、、

え~っ、せめて陸のブランケットになるところまでポートタックで行きたかったな~、、、

波と風がズレているからスタボーの方がピッチング酷いぞあせる

 

2タックで何とか清水港の近くまで陸に寄せるとブランケットになりセールを降ろして機走、、、

 

はっ!?オートパイロットの”AUTO”にしたらローバッテリーアラームが鳴り響いてオートパイロット使えないじゃん!!

 

幸い、小さなアウトラダーなのに油圧のオートパイロットが付いているので”スタンバイ”状態でも保進性はいいみたい、、、

 

ガソリンはトータル50L、、、適時寄港して給油は必須、、、

 

一つ目の寄港地は御前崎、、、

 

二人で2時間交代で舵を取りながら、、、

風は無いけど波が残っていてピッチングが酷くてオフワッチでも寝るのがしんどい、、、

沼津のホームセンターで買えたのは薄いシルバーのキャンプ用のマットだけ、、、

寝て起きると体中が痛い、、、あせる

 

 

21日午前6:00

初めての港なので沖で明るくなるのを2時間ほど待ってから御前崎港入港、、、

ガソリンスタンドが開く時間まで2時間ほど仮眠してからタクシーでガソリンを買いに、、、

が、御前崎をこの艇で回り込むには昨晩と同じくらい風が吹いているので”絶対に”御前崎を回って遠州灘に出るのは今は無理!!ってか出るのはただの無謀ってやつ!!

風が落ちるまで予報では2時間、、、昨晩のこともあるので今度は完全に風が落ちてから出港することに、、、

 

残念ながら近くにホームセンターは無くテスターも買えずオートパイロットもバッテリーもソーラーパネルもソーラーレギュレターもどこがどう問題があるのかチェックできず、、、

まあ、最悪航海灯は乾電池繋いで付けて、ナビゲーションはハンディーのGPSと海図とハンドコンパスでクロスベアリングでも取りながら、、、で、、、オートパイロットは、、、無し!!

 

12:00御前崎港出港、、、

風は止んで大きなうねりが残っているだけで不快なピッチングも無くどんぶらこと進むも、、、

 

おかしいな~、、、沖にある巨大な低気圧の可航半円の端っこになるはずだったんだけどな~???

巨大な低気圧はかなり沖を通過してしまっている、、、

頼みの風が~~~、、、50マイルほど北に上がってきておくれ~!!

 

対地速度2.4ノット、、、

 

対水は5ノット程度出ているのに、、、

 

どちらかというと僕史上一番岸に寄せて航行しているつもりなんだが、、、

 

時間と航行予定のルートの気象情報をチェックすると、、、

いや、この時点で二人ともくたくたなのに4時間以内に風は上がらないにしても豪雨に突っ込んでこの速度なら一晩中降られるぞ!!

しかも、この豪雨、たぶん視界1マイル以下になるぞ!!

 

別に”冒険レース”をしているんじゃなくて”回航”をしているんだから、視界不良の中危険を冒して走るリスクや疲労によるミスのリスクをなくすためにもなんとか日没までに入れそうな福田漁港に緊急入港することにしよう!!

 

福田漁港の防波堤を確認出来た頃に暗くなったけど21日20:20無事に入港、、、

入港後30分で大雨、、、

 

ここで今航海最大の事件が!!

なんと一晩中”蚊”に襲われ続けて眠れない!!

二人で”蚊”と戦う事一晩、、、仕留めた蚊の数は推定150~200匹、、、

どうも右舷のラダーに付いているオートパイロット用の船内に引き込まれているアームの隙間から侵入してきているみたいだけど、外は大雨、近所にコンビニも無い、蚊取りグッズも何もない、、、業者さんは『近くのホテルで泊まってください』ってことだったけど最寄りのホテルはすべて満室、、、

福田漁港に帰港するときは”蚊”への対策をお忘れなく~~!!自艇ならフルに積んでいるのに!!

結局、疲労も取れずしらす丼は11時からでしらす丼も食べれずに22日9:00出港、、、

まあ、一晩中豪雨にさらされびしょびしょになりながら豪雨の中ワッチしなくて済んで、茶室の躙り口のようなコンパニオンウェイから出入りしてキャビン内もびしょびしょにして疲労困憊にならずに済んだだけでもよかったとしておこう、、、

 

燃料は50L、御前崎で燃料を満タンにして次はずっと機走になると尾鷲入港?何とか勝浦?出来ればスタンドが真ん前の串本まで行きたいので風が吹いたらすぐにセールアップ、、、

セーリングで4ノット以上キープ出来たら良しとする、、、

 

伊良湖水道の夕日が綺麗だった~、、、

が、残念ながらこの辺りで風が変わって直線で串本までいければ楽しいダウンウインドセーリングのはずなのだが、沿海区域の船検上このいい風のラインより更に岸よりの風の無いところをよちよちと機走で南下しなければいけないという、、、

 

機走中、自艇や普段回航を頼まれるようなビッグボートではなく、艇がちっちゃくて乾舷が低く視線も低いからか、”カツオノエボシ”が漂っているのを3匹も見た!!

一人だったら絶対に艇を止めて戻ってでも写真を撮ったり動画撮ったりするやつだ!!w

 

やっと風がしっかりと吹いてきたのは勝浦辺りから、、、

燃料をチェックして残航をチェックすると串本までは大丈夫そう、、、

 

風がどんどん上がって25ノット以上、、、

艇はずっとフルメインとフルジブでプレーニング状態で15ノット以上、、、

 

勝浦沖から串本まで1時間ちょっとで着いちゃった、、、

 

23日12:00串本着、、、

残念ながらここは徒歩圏内にホームセンターはあるけど明日の気象情報を見ると1時間たりとものんびりとはしていられない、、、

明日の昼までに新西に着けないと和歌山マリーナシティーか、淡輪か、関空マリーナで3日以上動けなくなりそう、、、

日当制だから日数が長くなればなるほどお小遣いは増えるけどそれ以上にこの船もう嫌だ!!

 

なのでガソリンを補給して、西宮までの食料と飲料を補給して、、、

 

30分ほどして出港、、、

 

串本大橋は余裕でクリアw

 

潮岬を回り込んだ辺りでいい風が吹き始めたのでセールアップ、、、

周参見まではいいダウンウインドだったのだが、、、

アップウインドに変わった、、、

あれ???串本で気象をチェックした時には予報では紀伊水道はずっとダウンウインドで北上できると思っていたんだが、、、

windyの予報がみるみる変わる、、、

 

結局、市江崎からしばらく風がまともに入らない、船外機はストールしながらもなんとか4ノット程度をキープできる程度だけど嫌な波、、、

 

紀伊水道の真ん中まで帰ってきてやっと波が収まってメインをセンターに固定して機帆走、、、

 

Facebookより

2025年5月23日21:23

 

『めっちゃ久しぶりにイルカのお出迎えに感激してる!!

真っ暗闇の中で泳いで近づいてくるイルカの姿形が夜光虫のおかげでくっきり!

しかもしかもですよ!実際には背中が黒か濃いグレーでお腹は白いのはわかるんだけど夜光虫の形がイルカになっているだけだから白イルカの群れというかめっち神々しくイルカ版のエルフです!

かれこれ30分以上見とれてしまってる!

ヨットの下を縦横無尽に泳ぎ回って手を伸ばしたら届きそうなところでスクリュージャンプを披露してくれてるんです!!

ヨットの横1mほどを背びれを出して並走してくれるの痺れる!!

銀色に輝くイルカなんて初めて見た!!』

 

乾舷が低くLEDの緑色の航海灯が海面を照らすと黒い背中のイルカはこのように見えるんですかね~???

 

明け方に丁度加太瀬戸に差し掛かり、、、

 

昼前頃から吹き上がってくる北東の強風に備えて、

 

関空の連絡橋の下を通過し、、、

夢洲のもう一つ沖の新島の南をギリギリ狙い、、、

 

新島の南、大関門がしっかりと見えた頃に雨と共に吹き上がり始め、ジブをパッキングして濡れる前に船内に放り込み、新島・夢洲になるべく近づいて波で叩かれるのを避けつつ、夢洲を通過したくらいでバウを一文字の防波堤の内側に向けてメインセール一枚で一気に新西へ!!

 

24日11:30

無事、新西宮ヨットハーバーに大雨の中到着、、、

が、大雨で艇を片付けれず、、、

艇は次の日に僕が片付けることにして、Leo君は次の日の飛行機で予定通り台湾へ帰国することに、、、

寄港地での仮眠を除いて実質3日半で回航出来たならこの船にしてはラッキーだったのでは???

でも、、、

回航後にLeo君が言い残した言葉、、、

『I will never sail on this boat again!!』

同感です!!www