バウの改造(その1 モックアップのためのモックアップ) | なんちゃってオーシャンセーラーのブログ

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オーシャンセーリングに憧れて。。。
今は、実現に向けてヨットの整備と身の丈より少しだけ背伸びをした活動をしています。

この連休(2014/1/11,12,13)は、パートナーは同僚とスキー&スノボー旅行。


一人寂しく置いて行かれた僕は、我が艇でごそごそ。。。


ごそごそと『バウの改造』と『ジンバルの修理』をしていました。。。


まずはバウ。


我が艇は元々はいわゆる純粋な『外洋レーサー』だったのでバウはトイレとハンギングロッカーだけしかありませんでした。


前オーナー時代に一度トイレの個室化とパイプバースを造船所任せで作ったのですが、いい船を作った造船所にも関わらず、改造は苦手なのか、『?』とか『中途半端』なところもあり、艇を譲り受けてからほぼすべてを撤去して、ほぼ元の状態に戻しました。


戻した状態がこちら↓。我が艇に乗ったことのある人ならこの写真で、僕と我が艇の特定はできるでしょうね。

元々はもっと薄いブルーに黒やピンクのドット模様があって綺麗だったのですが、造船所にべた塗りされてしまいました。


実績もあり決してダメな造船所ではないと思うのですが。。。

宝くじでも大当たりすればワンオフ艇をこの造船所で造りたいと思っているくらいですから!!!当たればね。。。(・・。)ゞ


この写真↑のブルーの濃い部分は僕が補修した跡。。。


4か所の四角い部分はパイプバースの受けのためにデッドウッドを接着・積層してあった部分。それを取り払った後をマイクロバルーンエポキシで補修。


リングフレームの下の濃い部分は手前の白い部分の上に床板が積層してあった部分。この床板の下は完全な空洞状態でチェックも不可能だったので、将来的に取り外し式の床板にすべく撤去。撤去後に2プライだけダブルバイアスのEグラスとエポキシで積層。



リングフレームの後ろはトイレの壁とトイレの中のシンクの棚があった部分を撤去した跡。撤去して削り取った部分は1プライだけダブルバイアスのEグラスとエポキシで積層。


と、まあ、こんな具合のバウを再度快適空間にすべく改造します。どこに何を収納しようか考えながら楽しい工作の始まりです。

о(ж>▽<)y ☆


改造が終わってからビフォア・アフターの写真をアップ予定。でも、さすがにオリジナルの時のバウの写真はないな~。。。


僕がほぼすべてを撤去したのが2006年の年末。。。それから構想すること早7年。。。

なぜ、進まないかというと費用が捻出できないから。。。(T_T)



さて2013年12月23日クリスマスパーティーの翌日、パートナーとまずは基準を決めます。。。毎度のことながら基準をどこにすればいいのかが分かりません。


とりあえず、マストの前のここ↓を基準としてレーザーの水平器でポイントを決めマーキングします。水平器を置いておけるほど広い場所ではないのでパートナーに押えてもらいます。


しかし、分厚いアルミのここも溶接による熱のせいで少し湾曲しているので正確ではないようです。。。

浮いている船なので『レーザー墨出器』はどこに据えたらいいか分からないし、、、(とりあえずここに据えればよかったかな?)

どこかに前後左右の基準になる場所があればレーザー水平器で対応できるだろうとレーザー墨出器は持ってきませんでした。。。(>_<)


水平器で決めたポイントに『レ点』を描いて端材で仮の桟を取り付けます。

艇には最小限の穴で済み、コアがPVCフォームであるクラッシュバルクヘッドとリングフレームにビスで桟を取り付けます。ハルはバルサコアなので無造作に穴を開けることはできません。。。


仮の桟ができました。



2014年1月2日


仮の桟に基準になる板を取り付けてみました(写真無し)。。。


基準になる板を取り付け、再度、高さ関係と長さ関係を検討します。


ここに欲しいのはVバースとパイプバース。


目的は、

Vバースはハーバーでの予備バース兼水密隔壁兼物入れ。

パイプバースはハーバーでの予備バース兼セール保管。


『起きて半畳、寝て一畳』、何てのはヨットでは贅沢すぎる空間です。

ヨットでは『起きて3分の1畳、寝て3分の2畳』ですね。


1970年の人間工学の『人体計測値』では成人男性の身長は1651mm肩幅は400mmとなっています。


僕は身長は1720mm位、、、肩幅は???


元々あったパイプバースでは頭も足もパイプに当たる。。。


では、我が艇がターゲットとしていたIMSの基準を参考にすることにしよう!!

バースは長さ1900mm以上(パイプの内々)、幅600mm以上(パイプの内々)、バースの上のクリアランスは500mm以上。ソフトボトムのバースには30mm厚のマット、ハードボトムのバースには100mm厚のマット。。。


パイプバースのパイプは50mmΦを使うとして、、、、


デッキから、パイプバースの上のクリアランス500mm、パイプバースのマット少し厚めに50mm、パイプバースのパイプ径50mm、Vバースの上のクリアランス500mm、Vバースのマット100mmの合計1200mm下にVバースのハードボトムを作ることに。。。


あ、いや待てよ!自転車2台をどこに収納する!?重要だよこれは。。。当初バースとトイレの間に立てかけれるかと思っていたけど2台分はさすがに。。。


メインバルクヘッドからクラッシュバルクヘッドまで約3350mmしかないよ。。。


パイプバースは内々1900mmと50mmのパイプなので2000mm。クラッシュバルクヘッドに付いているハッチは高さ約55mm、ある程度の余裕が必要だから2100mmのVバースにすることにするとトイレは1260mmほどしかない。。。


よく見ると、クラッシュバルクヘッドが取り付けてあるリングフレームと手前のリングフレームの間は1600mmほど。リングフレームの厚みの分はバースとしては使えない。ここに細長い棚を作って自転車のタイヤを引っかければ左右に自転車置き場ができるじゃん!!

о(ж>▽<)y ☆


自転車を折りたたんだ高さは590mm。

パイプバースからVバースのハードボトムまでの高さは600mm。。。ちょっとゆとりが。。。ということでさらに50mm下げることに。。。あれ?あ、そういえばデッキは水平じゃなくてバウのほうが高くてスターンのほうが低い。。。この1600mmほどの差で20mmほど違う。。。じゃあ、元の基準より70mm下げなきゃ、、、


なんてことをやりながら出来上がった基準はとりあえずこれ↓。


反対からの写真はないけど、基準の桟には裏に角材が留めてあって桟がたわまないようにしてある。

さらに基準の桟に付いている板の裏には留めしろがあり、その下は基準の桟から○○センチ(寸法忘れた)になるように上下に角材が留めてあって、その角材を基準の桟に当てただけで桟と板を適当にビス止めしただけ。(ここまでが2日の作業。)



2014年1月4日


パートナーを送ってからまた戻ってきて、上記と同じ要領で70mm下げるように段取りしてきたので作業は楽々進む。。。

これ↑はレーザー水平器で決めた基準から下○○cm(寸法は忘れた)と、クラッシュバルクヘッドから約2100mmの位置を出すためだけに組んだもの。


で、なんでこんなものを作ったかというと、トイレの個室のための壁(バルクヘッド)や水密隔壁の船体形状に合った『型』を採るため。


何もないところではメジャーを当てて寸法を拾うことができない(型を採れない)ので『基準』を作ったわけです。


一番シンプルでよくやる型採りの方法は

『バースクッションの製作(1)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11443556969.html

から『バースクッションの製作(6)』までと『バースクッションの製作(番外編)』で使った、基準線から○○センチごとに○○センチと拾い出していくことだと思います。

一番のメリットは安くできること。基準線が1本(基準となる板が一枚(場合によっては板も不要))ですむことでしょうか?


次によくやるのは『バースクッションの製作(1)』でも触れた『ティック・スティック』という方法でしょうか?

これはアメンバー限定ですが『チャートテーブルの改造(その1)』http://secret.ameba.jp/oceansailor/amemberentry-11508358062.html で使った方法です。

メリットは上記方法より正確に簡単に寸法が出せること。ただし、基準線ではなく、板が絶対に必要になる。

(ティック・スティックの詳しい説明は『Yachting』誌の1987年10月号116・117項に載っています。もしコピーが欲し方はアメンバーであればPDFファイルでお送りします。)


今回使った方法はこれ↓。『ティック・スティック』の応用編みたいなものです。。。


昨年末からのんびり準備してきていたのですが、正月明けから何か他に参考になるものはないかなと『Yachting』誌のバックナンバーを新しいほうから順にすべて見ていると、これ↓が1987年11月号102項に載っていました。。。つまり『ティップ・スティック』が載っていた次の号。。。


僕はこの方法は『ヨット大好き』さんのブログで知りました。『ハイテクとローテク』http://plaza.rakuten.co.jp/s400922/diary/200912250000/ という記事で船大工の棟梁が手にしているものですね。僕、『オーシャンレーサー』って名乗ってたようです。。。お恥ずかしい。。。レーサーって名乗ったらレース勝たなきゃ!で、レースにも勝てず、オーシャンセーリングにも行けないので『なんちゃってオーシャンセーラー』と今は名乗っています。。。


おっと、話が脱線してしまいました。。。


Yachting誌には『モックアップ・パターン』と紹介されています。(1987年11月号102項が必要な方はアメンバーであればPDFでお送りします。)


あ、下の部分の写真を撮り忘れてる。。。作業に集中するとつい。。。(・・。)ゞ


下の部分が出来上がったころには暗く寒くなってきたので、この日はここまで。。。



2014年1月11日


いきなりですが、こちら↓がポート側、トイレとバウバースの間の壁(バルクヘッド)の『モックアップ・パターン』。


すべて廃材or端材。


下の部分が出来上がって、垂直を出すために直角の出ている板を取り付け、それに沿わして縦の板を取り付ける。


あれ、板がたわんでまっすぐにならないぞ。。。あ、そうか、住宅用の床材の端材だから片面だけコーティングしてあるから湿度の変化でたわむんだ!


で、その床材を修正するために、元々、とあるショップの木製の陳列棚をバラした足の部分を利用してたわみを抑え、


メインバルクヘッドから1266mmの位置で保持できるように桟を2本入れて固定。

桟の重さだけでメインバルクヘッドのほうに倒れ掛かってくれたのでラッキー!


あとは、とても古くボロボロだった600×450×12の合板を丸鋸で30mm幅に切ってきた『スティック』をさらにのこぎりで適当な長さに切って、


また、家の倉庫にあった25mmのビスで適当に留めていくと、こうなった↓。

この日はここまで、日が暮れると寒い寒い。。。



2014年1月12日


同じようにスタボー側も。。。


右に見えているのがハンギングロッカー。。。このハンギングロッカーも撤去して、新しく作るバルクヘッドまでの幅で収納しやすいものに作り替えよう!!


こちらは、下の部分が小さいからか、バルクヘッドからの1266mmの基準の桟では軽く、たわみを抑えている棚の柱の重さに負けてバウのほうへ倒れていく。。。


この『モックアップ・パターン』は基準線と前後左右が固定されていないとできない。。


この写真↑の上の桟はバルクヘッドから1266mmの分。下の桟はハンギングロッカーからの分。


桟を付けただけでは倒れていくので何とか固定しないと。。。


で、考えたのがこれ↓。仮の桟に合板の歯切れをビス止めして『バークランプ』でメインバルクヘッドと固定。


このバークランプはとても便利。なぜなら、


このように↓『挟む』だけではなく、エンドのパーツを付け替えることで『突っ張り』にも使えるので!


出来上がった『モックアップ・パターン』を一度分解して桟橋で仮に組み立てると、、、で、でかい!!


これは『モックアップ』のための『モックアップ・パターン』。つまり、これを元にモックアップを作って最終的な検討をしたいので。。。


『モックアップ』とは模型のこと。ただし『原寸大の模型』なので『原型』と言ったほうがいいかも。『木型』という表現も当てはまるし、『試作』という言い方もできるかもしれない。。。

また車に積めるようにバラして、積み込み。


次はリングフレームに付ける水密隔壁の型採り。


まずは作業をしやすくするため、下に仮の桟を固定して、上にあった基準の桟を撤去。。。


『スティック』を取り付けるための板をリングフレームの一番船尾側になる位置に調整して取り付けます。まあ、調整とは言っても合板2枚だけですけど。。。


狭いところで一人だと作業が大変。こういう時には先ほどのクランプも便利だけど、薄いものを固定するにはこの↓洗濯ばさみのお化けのようなクリップも大変便利。

ここまですると日が暮れてきて暗くなって寒い寒い。。。

寒いし暗いしでこの日はここまで。。。



2014年1月13日


この『モックアップ・パターン』を作る材料費はすべてタダ!価値のある材料はこの2000mm×400mm?×9mmの合板と、


この合板を固定している3000mの材料から切り出した、2100mm×60mm×27mmの2本の角材だけでしょうか。。。


この↑『モックアップ・パターン』もまた、一度バラしてから組み立てる。



クラッシュバルクヘッド↓に基準の合板の端を使って線を描いて、ここのモックアップ・パターンも作る。


このクラッシュバルクヘッドは『バルクヘッド』という名前が付いているけど強度メンバーではなく。バウに穴が開いても水が入ってこないようにしているだけのもの。

なので、PVCコアも薄ければ積層も薄い。


通常はバースの受けはバルクヘッドなどに直接角材をビス止めしているものが多いと思うけど、ビスでは荷がかかった時にこのクラッシュバルクヘッドを切り裂いてしまう可能性がある。まあ、接着も併用すればいいんだろうけど。。。


拭き掃除をしやすいようになるべく凹凸がないようにしたいし、手のひら2つサイズなので全面を同じ厚みで突き出すようにしよう!


でも、どうやって?まだ水面の位置を正確に把握していないのであまりクラッシュバルクヘッドの下のほうに穴は開けたくない。。。


よし、養生テープを使おう!!


短く切った『スティック』をペタペタ。。。


クラッシュバルクヘッドは艇が出来上がってから後で取り付けたものなので、コンパニオンウェイから入るように縦に2分割されて真ん中縦に積層されているので、真ん中が膨らんでいて作業しにくい。。。

(#`ε´#)


なんとかスティックの上に板を当ててビスで固定。。。

。。。。。。。リングフレームとクラッシュバルクヘッドの取り合い部分にRがあるから正確じゃない。。。

+5mm位で後で鉋で削りながら現場合わせだな。。。


何とか出来上がったのがこちら↓。


本当はもう一枚、クラッシュバルクヘッドから1mほどの場所に水密隔壁(当然、物入れの仕切り兼用)が欲しいんだけど、『スティック』がなくなってモックアップ・パターンができませんでした。

大物のモックアップ・パターンからモックアップを作ったら、そのモックアップ・パターンをバラしてそれを使ってもう一枚を作ろう!廃材・端材のヘビーローテーションです。

しかし、この2枚はともかく、先日作った大きなモックアップ・パターンをどこでモックアップに仕上げようかな~。。。


『バウの改造(その2 モックアップの準備)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11752828270.html へ続く。。。