ブォナ セーラー!!


干場です。


干場義雅オフィシャルブログ「オーシャンズ干場義雅のベリッスィモな毎日」Powered by Ameba


少し長くなりますので、ゆっくりと噛み締めながら、読んでくださいませ!!



「ケーリー・グラントは大きな頭をしていましたが、

気づかれた人はあまりいないのではないでしょうか? 


それは彼が上手に装う方法を知っていたからです。

装いのTPOだけでなく、彼独特の体型に合った装いの仕方を知っていたからです。


つまり彼は、頭の大きさを強調してしまう自分の肩幅どおりのスーツを避け、

頭を小さく見せる実際よりも広い肩幅のスーツをいつも着ていたのです。 


残念ながら、ほとんどのアメリカ人は彼ほど装いのセンスに

恵まれていないというのが現状のようです。


ほとんどの人がうまく装うことを、ファッショナブルに装うことと取り違えています。

ファッションは、その言葉が示すとおり、移り変わるものです。


最新の流行を身につけているからといって、

必ずしも装い方がうまいとは限りません。

頭の先から足の先まで、すべて最新の流行で身を包んでいても、

エレガントとは程遠いという人を目にしたことがあるでしょう。


上手な装いとまず第一に、自分に合った服を選ぶこと。

そして次に、その服をちゃんと体に合わせ、正しく身につけること。

そして最後に自分らしさを加えることです。 


上質な洋服は、決して安くありません。

そしてその値段はこれからも上がり続けることでしょう。

ですからワードローブを揃えるのは、一つの金銭的事業です。

年とともに価値の下がるとわかっている物に投資する人はいません。


だったらなぜ2、3度しか着ないような洋服を買うのでしょう? 

何年も着られる洋服、どんなにファッションが変わろうとも、

いつでも役に立つ洋服、そんな洋服から構成された確実な、

時の試練に耐えうるワードローブをもつほうがずっと賢いと言えませんか? 

上手に装うことを第一に考えて洋服を買えば、

そのスタイルがもう流行しなくなったからといって、

洋服を捨ててしまうこともなくなります。


捨てるのは自分がもういらなくなったと判断したときだけです。 

ごく稀にまったくセンスのないと思われる人

(こういう人を教育するのは残念ながら不可能です)もいることはいますが、

ほとんどの人の場合は正しい装い方を勉強することによって

センスを磨くことが出来ます。 


生まれつき良い趣味とスタイルのセンスをもち、

何が自分に一番よく似合うか知っている人は稀です。


ほかのすべてのことと同じように、

装うセンスも後天的に培われます。


しかし、そのためには、すべての学習と同じく、

興味をもって取り組み、経験を重ねていかなければなりません。


そして、それにも増して重要なのは、

その学習が良い趣味を作るための基本的な原則と、

しっかりとしたルールに基づいていなくてはならないということです。 


わたしに初めて、装うことの意味を教えてくれたのは父でした。

父は服装のもつ可能性に興味を持ち、また装うことをとても楽しむ人でした。


父は不動産の仕事をしていましたが、いつも意識して、

自分が成功した人間に見えるような装いの仕方をしていました。


わたしは、毎朝父が仕事に行く前に着替えをするのを見るのが大好きでした。

父は、シャツ、ネクタイ、スーツ、靴を、念入りに選んで、自分が最高に見えるだけでなく、

最高の気分でいられるように心がけていました。


ですからわたしは、長い間装うことに、自分がどんなふうに見えるかということに、

気を使うのは当たり前のことだと思っていました。


父が、上質な洋服の着心地の良さを愛したばかりではなく、

趣味の良さと、服装の礼儀正しさを重んじる、


古き良き時代の遺物ともいえる少数派に属していたとわかったのは、

ずいぶん後になってからのことでした。 


この本の最終目的は、読者に上手な装いの原則を理解していただくことです。

しかし、上手に装うことで何かメリットがあるのでしょうか? 


一体どうしてそんなことをする必要があるのでしょう? 

上手に装うことのメリットは、たくさんあります。




一つに洋服は、正真正銘のコミュニケ-ショーンの手段だということです。

パール・ビンダーは、彼女の著書『ザ・ピーコックス・テール』のなかで言っています。


「洋服は、人間の心を表現するものです。


自分をどう考えているか、

我々は着ている洋服によって世界に知らしめているのです」。


洋服は、あなたが気づいていようとそうでなかろうと、

あなた自信のことをはっきりと物語っています。 


長い間『エスクァイア』のファッション・エディターを務めた

オスカー・E・ショフラーも忠告しています。 


「身につけているものの力を決してあなどってはいけません。

本当のあなた自身が出ているところなど知れているのですから。

出ているのは、せいぜい首と手くらいなものです。


後の部分は、すべて、あなたがその骨の上にぶらさげているものを

世間にさらしているのです」 


その他にも、正しい装い方を知っていることには実際的なメリットがあります。

生来的なものなのか、生まれてからの教育によるものなのか、

男というものは買い物が嫌いです。


確かに買い物は疲れますし、時間もかかります。

ほとんどの男性が買い物はできるだけ手早く、

効率よく済ませてしまいたいと思っていることでしょう。

しかし、そんな面倒な買い物も、何を買えばいいかわかっていれば

ずいぶんと楽になります。

例えば、あなたが、お店にスーツを買いに行ったとします。

店のセールスマンは、今年は幅の広いズボンが流行しているといって、

あなたに幅広いズボンを勧めるかもしれません。


しかし、もしあなたが小さい足をしていたら、幅の広いズボンは似合いません。

足がズボンの海に呑まれてしまうからです。 


また、洋服というものは毎日着るものです。

シャツにボタンをかけ、ネクタイを結ぶだけでも時間はかかります。

だったらその時間を少しでも満足のいくものにしたいと思いませんか? 

この本は、その満足を得るためにどうしたらよいかをお教えする本です。 

基本的には装うということも他のすべての行為と同じです。

そのための知識と練習が必要となります。


この本で扱われている原則もそれに関連した事柄も、

決して新しいものではありません。


これからの原則は1930年代に発展し、

それからずっと父から子へ、そしてテイラーから客へと受け継がれて来たものばかりです。


しかし1960年代に入って、この伝統は崩れてしまいました。

若者は、自分よりも年上の人の言うことに耳をかさんくなってしまったのです。


今まで受け継がれて来た知識は、ほとんど失われてしまうところでした。

しかし、今また人々は、装うことに関心を持ち始めました。



過去の伝統を再び取り戻す時がやってきたのです。 

この本に挙げられている数々の原則は、

決してすべての男性を同じにすることを目的にしているわけではありません。


わたし自身も人と同じ服装をするのは大嫌いです。

事実、わたしは、はっとするほど奇抜で個性的な服装をした人が大好きです。

わたしの信念は、礼儀にかなったやり方で、自分らしさを表現するということです。


そして自分らしさとは、デザイナーや店、あるいは雑誌などのいうことを

鵜呑みにしないでいられるだけのセンスを

あなたが育てた時に、初めて生まれるものなのです。


今のオートメーションの時代にあって、

装うことは人間の自分の力でコントロールできる

数少ない分野の一つではないでしょうか?  


それならば、胸をはって堂々と、しかしスタイルを持って! 

やってみようではありませんか?」


少しじゃないじゃん・・・。

めちゃくちゃ長いじゃん!!

と言うことで、アラン・フラッサー氏が書いた『クローズ・アンド・ザ・マン』という本のイントロダクションより いかがでしたか?



とても、胸に残る素敵な言葉がいっぱいあったはずです。

僕も、この本を18年前に読んだときに、とても感動し、それ以来、自分のベーシックとしてきました。


道をはずれそうになったとき、困ったときや悩んだときに開いては読み返し、自分の基本にしてきました。

ちなみに、この本を書いた著書、アラン・フラッサー氏は、1983年のコティ賞を受賞したメンズウェアのデザイナーで、1985年には最も活躍したアメリカのメンズデザイナーに与えられる、カティ・サーク賞の候補にもあげられました。

『メイキング・ザ・マン』は彼の最初の著書です。


彼はその他にも、『ニューヨーク・タイムズ』や『メンズ・クォータリー』をはじめとする新聞雑誌に、男性の装いに関する記事を載せています。

インターナショナル・ベスト・ドレッサーのリストにも載ったことがあります。


フラッサー氏は、本書の出版により、1987年のカティ・サーク賞を受賞しています。

先人たちの含蓄のある言葉をご紹介しました。


皆さんは、どんな風に感じられたでしょうか?

素直に感じられたことで結構ですので、皆様のコメントを聞かせていただけると幸いです。



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では、また。


チャーオー!!!