あれは、大学受験に失敗して、予備校に通っているときだった。

S君という奴がいた。彼は、バーでバイトをしていた。予備校へ行きながら、バーテンをやっている奴はほとんどいなかった。

彼の勤める飲み屋に一度行った。酔っ払いのおやじがやってきて女の子にからんできた。

かれはさりげなく、女の子をかばった。

次にいたっときはコワモテのおにいさんが、絡んでいた。

何かがきっかけで、けんかになりそうになった。

かれは、すっと立ち上がって女の子をかばった。何かを男が投げつけたが、かれは平気で片手で跳ね飛ばした。私は怖くてすくんでいた。彼の態度はむちゃくちゃかっこよかった。

彼は、無条件にママとバーの若い女の子に信頼されていた。
その頃は、水商売というと嫌な顔をするひとが、今よりはるかに多かった。

彼はハンサムではないが、むちゃくちゃいい男だった。

この歌をきいたときに彼を思い出した。今頃どうしているんだろうか?



Y君と言う奴もいた。「高校までは、俺は人殺し以外は何でもやった。」と豪語するおとこだった。

「おいらはとっかえひっかえ、いろんな女と付き合ったよ。
 あるとき、つきあっていた女をすてたんだ。
 するとね、そいつは自殺未遂をやったんだ。」

「ふーっと思ったんだ。俺はなにをやってんだ? 勉強したいなって。」

「それから勉強をはじめたんだけどさ。成績が上がんないんだよ。
 今までなんもしたことがないから。
 たいした大学にいけないないと思うけれど、勉強したいんだ。俺。。」

こいつは、ニーと笑うと、なんともいえない暖かいきもちになる笑顔の男だった。



 
「あんたは何をしていたかって?」
「私は勉強だけしていた、やな奴だった。」

 

 ♪ 一人で泣くとなんだか自分だけいけなく見えすぎる

  冗談じゃないわ世の中誰も皆同じくらい悪い ♪



「生きていてもいいですか」の答えはこれだと思っている。
善人は悪人を心から許さない。自分が悪ければ悪いほど、人は他人に優しくなれる。
本当の善人なんていやしない。生きていたって良いんだよ。ヘレン。。。

(2005/01/29(土) 19:11/後ろに飛ぶ極楽とんぼ)




泣きたい夜に
http://www.h2.dion.ne.jp/~mtmamiri/nakitai.htm