抗がん剤投与1日目…

まぁ… 当時の私は自信過剰…
「自分は大丈夫」
「自分は特別」
「自分が一番」

抗がん剤投与が始まって、心構えはできていたはずだったが…

抗がん剤投与が始まって一時間後くらいに吐き気止めが切れて気持ち悪くなると、治療のために個室に移る前に…
同じ病名、同じ治療を受けたことがある同室の友達に色々聞いた。

「吐き気には個人差があります」医師
「バケツで吐いてた」同室友人

点滴開始後一時間経過。
「お‼ 一時間経っても大丈夫じゃん!!
もしかして、超稀な副作用少ない人?
ラッキー!!!」

なんて、自分だけが特別だと思った矢先…
ちょっと音楽聴いてくつろいでたら…
吐き気…
嘔吐…
「あ、例外じゃなかった…」と実感…
数日間抗がん剤投与は続いた…

食欲はゼロ以下
吐き気多
匂いもダメ…
食事は来ないようにしてほしかった…

近くにあるだけで無理… でした。

次は、脱毛。
一週間くらい。8日目の朝も枕に髪があるとかはなく、この時も…
「脱毛も個人差があります」医師
「一週間で髪が抜け始めて家族に急いでバンダナとかスカーフ買ってもらった」同室の友人(初期治療開始時の当時UCLAの大学院生だった)

またも、
「お‼ 一週間過ぎても大丈夫じゃん!!
もしかして、抗がん剤治療初の脱毛zeroの人?
私ってすっごーい!ラッキー!!!」

8日目の昼には…髪が降ってきた。
翌日朝起きたら、枕っていうよりも真っ茶の動物、犬みたいに…
私の髪は見事に抜け始め、枕が見えないほど髪の毛ビッシリ…
「私だけ特別ではない…か…」それから毎日、白い床が自分の髪の色のカーペットのように…ベッド周りだけモジャモジャ…

Wow...!!!
頭が薄くなってくるのを気にしたお年頃の学生だったとさ。

最初のクール…
クールとは投与のひとまとまり。
 BEACOPP, CHOP, ABVD, 等色々な治療方が各病気に使われる。一つの文字が一つの薬。それを何日目にどう投与されるか決まっていて、一度のまとまりをクールと呼ぶ。
とりあえず、「私だけ」「特別」「例外」なんて若者の特権のような考えがことごとく喝破された最も記憶に残っているニ大イベント、みんなが知ってる抗がん剤の副作用から書きました。

当時は今ほど吐き気止めも発達しておらず、
プロトコール(抗がん剤の種類や組み合わせ)が豊富ではなかった。

とにかく全て殺す。
自分が死ぬか病気が先に死んで、自身は生き残れるかの競争の時代

分子標的薬がまだ使えない、あってもまだ全てのガンの中でたった一つ発見されて、治験中というレベル…

今のガン、いや病気治療の多くからはかけ離れていた。
歴史上の出来事…

コロナも今、正に後世語り継がれて…
教科書に載る人類の分岐点を現在進行形で我々は体験しています。

今を大切に
できる予防を徹底的にしよう!