家の中で、落ち着いたイヌに育てるには? 「寝た子は起こせ」作戦 | わんこも、そして飼い主さんも

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「褒める」
「叱る」


この2つのテーマで、いくつかのエントリを書いていますが、それらのエントリを通してお伝えしたいことというのがあります。
今日からは、その辺についても触れていこうかなと思います。

僕がよく飼い主さんにアドバイスすることに「寝た子は起こせ」というものがあります。

お家の中で、以下のような感じのイヌには結構有効な対応です。

 ・落ち着きがない
 ・興奮しやすい
 ・イタズラが多い


これまでのエントリにもちらりちらりと書いてはいるのですが、改めて。

もしも「家の中で、落ち着きがなくて、興奮しやすくて、イタズラをしょっちゅうするんです」みたいなイヌと暮らしている方がいらっしゃったら、是非実践していただければなぁと思います。

 「寝た子は起こせ」

これはもう、文字通りそのままの意味です。
イヌが寝ていたら、起こしにいってください。
そうすると、よく寝るイヌになりますから。

大体の飼い主さんは「寝ているイヌ」は、放置しています。
「やっと寝てくれた。よし、今のうちにアレをアレして、アレをアレしないと。あ、あと、アレもアレしとこう」みたいな感じで。
そして、いくつかの「アレ」を「アレ」している最中に、イヌが目を覚ます。
目が覚めたイヌは、いつものようにイタズラを始めたり、家の中をウロウロしたり、なんなら走り回ったり、吠えたりする。
まだ「アレ」を「アレ」している最中だった飼い主さんは、「アレ」を「アレ」するのを一旦中止して、イヌの行動を止めに入る。
しかしイヌは、なんだか飼い主さんをバカにするかのように逃げ回る。
「へっへーん。捕まえられるもんなら捕まえてみろー」みたいな感じで。
こうして、イヌにとっては楽しい、飼い主さんにとっては全然楽しくない、追いかけっこが今日も始まるのでした。

なんでこんなことが起こるのか?というと、この状況はイヌにとってみれば、こうなります。

 ・大人しく寝ている=完全放置で無視される
 ・なんか色々やる=飼い主さんと追いかけっこ楽しいです


どっちのメリットがでかいか?というと、当然「なんか色々やる」方がメリットでかいですよね?
大人しく寝てたら、放置されて無視されるんだから。
ということで、イヌはどんどん「ゴミ箱を漁る」し、「家具をかじる」し、「無駄吠えをする」し、「イタズラをする」ようになるわけです。

ならば、その逆をやってみようというのが「寝た子は起こせ」作戦です。

これまた何度も書きますが、24時間365日問題を起こしているイヌなんかいません
まずどんなイヌでも「寝ている時間」というのがあります。
「寝ている時間」に、問題を起こすイヌというのもいません。

ならば、この「寝ている時間」が増えれば、「問題を起こしている時間」は当然減ります

多くの飼い主さんが「問題をなくそう」「悪いことを減らそう」と躍起になっています。
なんなら、プロのトレーナーと呼ばれる人でさえも、そちらを優先してしまったりします。
でもこれは、順序が逆です。

唐突ですが、あなたは将棋を指したことはありますか?
あるという人もいれば、ないという人もいるでしょう。
将棋には、当然いくつものルールがあります。
反則もあります。
たとえば「二手連続で打ってはいけない」とか、「縦の同じ列に、歩は2枚打てない(二歩という反則)」とか。
他にも、最初の駒の配置、駒の動かし方など、覚えないといけないことはたくさんあります。

こういうルールを知らない人は、当然将棋を指せません。
でも、ルールを知らない人に「わかんなくてもいいから、とりあえずなんかやれ」と言ってみたとします。
当然、ルールを知らないんだから、わけのわからない指し方をするでしょう。
反則もばんばんやっちゃうことになるかもしれません。
「なんでお前の側に王様が2枚もあるんだ」なんてことにもなるかもしれません。
そして、将棋をまったく知らない人からすれば(たとえば将棋を見たことも聞いたこともない海外の人とか)ここに書かれていることの意味すら、多分わかりません(え?王様がたくさんあった方が強そうじゃんみたいなことを言う人だっているかもしれません)。

「将棋をまったく知らない人」が、間違ったことをやったとして、あなたは「何やってんだ!」と叱るでしょうか?
「間違ったことをやってるんだから、罰を与えないといけない」と言うでしょうか?
だって、相手は「何も知らない」んですよ。
「何もわからない」相手に、そんなことを言う人は、多分いません(いないと思いたい)。
まさか「日本に住んでるんなら、知ってて当然だ!」なんていう人もいませんよね。

もうおわかりだと思います。

 「悪いことをしたら叱る」
 「間違ったことをしたら罰を与える」


これが成立するのは、あくまでも「正解を知っている」ことが大前提です。
家の中で興奮したり、暴れたり、イタズラしたり、吠えたりするイヌは「家の中での過ごし方=正解」を知らないんです。
知らないから、色んなことをやるんです。
ならば、まずは「正解を教える」ことが先です。

そこで「寝た子は起こせ」です。
イヌが寝ていたら、起こしにいってみてください。
そのうち、寝ている時間がどんどん増えていきます。
ほんとですよ。

え?起こした後に暴れたら?
どうしましょうか。
もちろん、対策はあります。

続きます