今回からは、「イヌを叱る」ことの「メリット・デメリット」について、少しお付き合いください。
この辺のお話は、もうセミナーで散々しているので、お馴染みすぎて耳にタコ(あ、これはブログだから、目にタコ?)って方も多いかもしれませんが、改めて。
とりあえず、前回のエントリ
で「叱るっていうのはこういうことです」と、このブログにおける「叱る」ということの意味を定義しましたので、そっちをまだ読んでない方は、まずはそちらをお読みください
。
でないと、「貞子って誰よ?」という状態で「リング2」を観るみたいなことになりますので。
ということで、前回のエントリで決まった「叱る」という行為とは、こんな感じです。
叱るとは?
イヌのある行動の直後、または最中に、何らかの刺激・出来事を出現させることで、
今後その行動が繰り返されないようにするための行為
イヌが行動している → 叱る → その行動が減ったらいいな(願望)
行動の科学における専門用語でいえば、「正の弱化(罰)」「嫌子出現の弱化」と呼ばれているものになります。
んでは早速、このような行為の「メリット」について。
メリット1 行動をゼロにできる
何か「これは問題だ」と周囲が(ここ大事ですよ)感じる行動に対して、適切ないわゆる「罰」を与えることができたら、その行動はゼロになります。
つまり、うまくいけば二度とやらなくなります。
ここで勘違いしてほしくないのは、あくまでも「うまくいけば」ということですからね。
うまくいかないことだってあります。
そんなときはどうなるの?っていうことについては、「デメリット」の方でお伝えします。
メリット2 即効性がある
その場で「結果」が出ます。
たとえば、イタズラをしているイヌが目の前にいるとして、あなたが「コラ!」と声をかけたとします。
すると、イヌのイタズラが止まりました。
行動の流れとしては、このようになります。
イタズラしている - 「コラ!」と言う - イタズラが止む
「イタズラが止む」というのは、飼い主にとってメリットであることは間違いないでしょう。
このように「すぐその場で結果が出る」ということに、動物は非常に「弱い」です。
たとえばダイエットが続かない理由なんかは、まさにこれです。
目の前にケーキがあって、これを食べると太ってしまうかもしれない…のだけれど、食べてしまう。
ケーキがある-食べる-おいしい!
→すぐにメリット発生
ケーキがある-我慢する-1ヵ月後痩せてるかも
→だいぶ遅れてメリット発生
こういうのを「遠くの大強化より、近くの小強化」なんて言ったりもします。
「今、ここにあるメリット」に、私たちはとても弱いんですね。
でもってこれが、「叱る」という行為が続いてしまう原因の一つでもあります。
さて、メリットは以上です。
次回からはデメリットについて、お伝えします。
結構たくさんあるんですよ、デメリット。
続きます