イヌのしつけがうまくいく、当たり前だけど、大事なこと | わんこも、そして飼い主さんも

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「褒めるしつけ」

この10年ぐらいでしょうか、この言葉は随分と一般的になってきているように思います。
どんな本を読んでも、どんなサイトを見ても、誰の話を聞いても、「イヌを褒めましょう」が一言目にきたりします。
これだけたくさんの人が同じことを言ってると、正直飽きちゃったりもしますよね。

「犬を褒めなきゃいけないのはわかったから。みんな同じこと言うんだもんなー。他に言うことないの?」

ひょっとしたら、このブログを読んでいる方の中にも、こんな感想を持っている人がいるかもしれません。

でも、ぜひこう考えてほしいんです。
これだけたくさんの人が口をそろえて「褒めましょう」と言うってことは、これはもう本当に大事なことなんだと。
そのことを踏まえて、読み進めていただければと思います。


さて、前回のエントリで、こんなことを書きました。


しつけであれ、トレーニングであれ、問題行動の改善であれ、その中身は「イヌの行動を変える」ということに他なりません。
その「行動を変える」「行動が変わる」プロセスは、大きく分けて2つです。

「行動が減る」
「行動が増える」

この2つ。


そして、多くの場合「問題となっている行動を減らす」ことに、一生懸命になってしまうと。
その「問題となっている行動を減らす」に一生懸命になっている状態とは、「あなたはダメな飼い主だ!」と、ただ飼い主さんを怒るだけで、アドバイスをしないトレーナーさんと同じだと。
これでは、「じゃあ、何をすればいいの?」が、わからない
飼い主さんは怒られるばかりで、いつまで経っても問題は解決しません。
そしてそれは、イヌも同じなんです。

しつけをする、問題行動をなおすというのは、「悪い行動、ダメな行動を減らす作業」ではありません
そうではなく、「良い行動、正しい行動を増やす作業」です。
「問題のある行動」というのは、どうしても目につきますし、大体の場合において「しつけをしよう」と考えるのは、何か問題が起こってからというのが多いと思います。

イタズラがひどい、トイレができない、甘噛みが痛い、吠えてうるさい…

こうした問題があって、はじめて「わあ、しつけをしよう」となる。
だったら、「問題をいかに減らすか?」というところに、頭が向いてしまうのはある程度しょうがないことかもしれません。

でも、だからこそ、だからこそです。
「問題をいかに減らすか?」というところから、ぜひ離れてください。
経験上、「問題をどうやって減らすか?」と考えている間は、なかなかうまくいきません。
どれだけ重篤な問題行動(たとえば、側を通るだけで襲い掛かってくるとか、他犬やバイク、自転車等に吠えかかり、そのままの勢いで飼い主に噛んでくるとか)であっても、常に考えることは「問題を減らす」ではないんです。

「何をさせるか?どんな行動を増やすか?」
「適切な行動はどんなもので、どうすればそれが増えるか?」


問題行動の専門家として言います。
問題解決のために、問題行動を見ているとうまくいきません。

行動を増やす。
適切な、行動を増やす。
だから、「褒める」が大事なんです。

実は、ほとんどの飼い主さんは、このことを知っているはずです。
ある「しつけ」を通して、体で、頭で覚えているはずなんです。


続きます