叱るってどういうこと? 3 | わんこも、そして飼い主さんも

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「叱るってどういうこと?」シリーズ第三弾です。

今回からは「罰を与えることの是非」すなわち「犬を叱ることの是非」について、考えていきます。
そのことを考える前提として、まずは「叱ることのメリット・デメリット」について考えましょう。
「叱ること」にはどんなメリットがあって、そしてどんなデメリットがあるのか?
そのことを踏まえてから「叱る」という対応をするかどうか?を、改めて考えます。


・「叱ること」のメリットは?

まずは、メリットから。
叱ることのメリットには、どんなものがあるでしょうか?


「即効性がある」

「叱られたかどうかは犬が決める」わけですが、その犬が「叱られた」と感じるぐらいの「強さ」で叱ることができたら、その行動は一気になくなります
つまり、あなたが叱って、犬がすぐにその行動を止めるということ。
単純に「行動を止めさせる」「減少させる」ことだけを考えたら、やはり「罰を与える」ことはとても強力なんですね。
これは間違いありません。


「完全にゼロにできる」

これもまた「叱られたかどうかは犬が決める」という前提があっての話です。
ここは見誤らないでください。

犬が「ひどく叱られた…」と感じたら、その行動は「ゼロ」になります。
つまり「二度としなくなる」わけです。
起こっている行動を「まったくのゼロにする」というのもまた、「罰を与える」ことの効果の一つです。



以上です。
「え?これだけ?」と思われるかもしれませんが、これだけです。
「いやほら、犬に反省させるとかさ、あるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、反省できるのは実は人間だけです。
「いやでもさ、反省してシュンとしてるよ?」という方もいらっしゃるかもしれませんが、それは「反省しているように見えるだけ」です。
実際問題「叱られた後はシュンとしてるけど、しばらくしたら同じことをする」という犬がほとんどです。
あなたの愛犬はどうでしょう?
それに、もしも犬がきちんと反省して「もうしないよ、ごめんね」ってなってるのであれば、きっとこんなブログは読んでいないのではないでしょうか?

繰り返しになりますが、やはり「叱られたかどうかは、犬が決める」わけです。
つまり「叱る」という対応を成功させようと思ったら、以下のことを目指さなくてはいけません。


 「一回叱っただけで、二度と同じことを
  繰り返さない程度の強さで叱る」



そして、これができる飼い主さんは、あまりいません。
統計をとったわけでもなんでもないので、正確な数字はわかりません。
わかりませんが、かなり少ないのではないか?と実感しています。
それぐらい「叱る」というのは難しいことなんですね。

「叱る」というのは、言い換えれば「犬に嫌な思いをさせる」ということでもあります。
「嫌な思いをさせる」わけですから、当然副作用があります。
その「副作用」が出ないように、でも確実に効果が出るようなレベル、やり方で叱る。
とても難しい作業です。

そして、その難しさのために、いくつもの「デメリット」「リスク」が存在します。
次からは、この「叱ることのデメリット・リスク」についてお伝えします。


続きます