35第2話ポニェッツの秘密
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第2話 

ポニェッツの秘密

物語の大枠

第一部 ダニールの地球探索
第二部 ガイア
第三部 ウォンダとガールの地球探索
第四部 嵐の気配
第五部 Tee Tree
第六部 ベイタ・ダレル
第七部 アルカディア・ダレル
第八部 アルカディアの遺言

第六部「ベイタ・ダレル」の大枠

34 第1話 ベイタから母ロアに宛てた手紙
35 第2話 ポニェッツの秘密
35 第3話 心理歴史学の弱点
36 第4話 ベイタの出番
37 第5話 ミュータント
38 第6話 白とピンクの星
39 第7話 束の間のバカンス
40 第8話 espionage 
41 第9話 ターミナスがミュールに占領された!
42 第10話 第2ファウンデーション
43 第11話 三百年目の晩餐会
44 第12話 星界の涯

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明なの娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

35 
(全文、ロアの娘ベイタに宛てた手紙。因みにロアの母はジータ。彼女は、誠実で働き者の青年シーウィーをロアの婿に迎い入れる。それまで、スミルナで平穏な暮らしをしていた。ロアの時代になって娘ベイタが大学生活のためにターミナスに行ってから、にわかにベイタの要請で、先祖の土地ターミナスに帰ることとなる。
 先祖が住んでいたガール・ドーニック農園を再び買い取るのであった。そこのラヴェンダーに新たな変化があったからである。)

 ベイタさんへ。一人でターミナスに行かせて、ホントにごめんなさい。言われた通りに、もうすっかり後片付けが終わって、そちらに行く準備が万端ですよ。シーウィーはなんかぶつぶつ言ってますけど、心配ないわ。
 実はね、この手紙を書いたのには訳があるのよ。あなたも私のアルカディアおばあちゃんがハーブの専門家だったって知ってるわよね。ハーブはざっと挙げても 45の重要な効用がありますね。そして千の疾患に効いて、万病の予防になるってことも。その中でも、抗不安、免疫力アップ、浄化があるわね。その「浄化」っていうことに何か秘密があるみたい。
 このあいだ、アルカディアおばあちゃんの日記を見つけたのよ。それを読んでて「ハッ」としたことがあったからなの。早く知らせなきゃ、と思ってね。
 そのアルカディアおばあちゃんが『ポニェッツの秘密』を見つけたと記してあるわ。
 彼ポエニッツ(初代アルカディアの友人、アルシアの自称保護者)がラベンダー商売で銀河を駆け巡っているとき、運悪く宇宙船の操縦装置の故障であわやブラックホールに吸い込まれそうになって気を失ってしまった時、「不死の従僕」と名のる正体不明の人物が夢に現れ、「心配するな。積み荷のラベンダーも大事ない。そのラベンダーをドーニックの農園に植えろ。」と言ったそうよ。
 あなたが見たガール・ドーニックの農園だけ、ラベンダーが咲いているのは、その「ポニェッツの秘密」らしいのです。その効用ときたら、「絶対不可能と言われている放射線物質の除染」と明記されてるわ。不思議ですね!

 ベイタさん。私の好きな詩を添えるわね。アルカディアの詩よ。

 「 ハーブ ハーブ 香る
すべての挨拶より香しい
滲みる 心に
すべての音楽より麗しい
ハーブ ハーブ 香り立つ
愛が世界へ 
今 
時を超えた 
涙 」
             母ロアより

yatcha john s.  「 ポニェッツの秘密」