私は、何かと既に買い与えられていたり
お下がりを使うことがありました。
物がなくて困ったとかは一切なかったので
恵まれてはいたと思います。
でも、身の回りのものを自分の好みで選ぶことがあまりありませんでした。
子供の頃、キャラクターの付いた靴が欲しかったのですが
親の趣味にそぐわず買ってもらえませんでした。
欲しかったおもちゃ、シルバニアファミリーはダメで
バービー人形はオーケーでした。
小学校低学年では、目覚まし時計を選ぶチャンスがありました。
私は、うちのタマ知りませんか?のタマの形をしていて、
猫の鳴き声がアラームになっている時計が欲しかったのですが
そんな鳴き声では起きれないから、と却下されました。
ピピピッと電子音の鳴る、CASIOの一般的なデザインのものを選びました。
そんな体験を積み重ねるうち、親の意向を反映したものが
自分の好みのような気になっていきました。
中学生の頃は、無印良品の自転車が欲しくてよくカタログを眺めていました。
ブリヂストンなどのメーカー品ではない自転車はすぐ壊れるからダメだと言われました。
成人式の頃には逆に、写真を撮るのにデジカメが必要だからと
選ぶ前に買い与えられました。
デザインや画素や価格など比較検討する前にもう、ありました。
定期入れとかは、私の好みと親の許容範囲が合致したようで、すんなり買ってもらえました。
盗まれてしまったので、大学のときにまた、自転車を買ってもらいました。
勝手に水色の自転車がやってきました。
私は水色が好きだったのかもしれないと思いました。
OKとNGの基準が曖昧で困りました。
自分で選ぶことが苦手で、自分の好きなものが分からなくて
自分がかわいいと思ったものは却下される気がして
無難そうなチョイスになりました。
自分の所帯を持ってから、また自転車が必要になり
大袈裟ですが、初めて、心の底から自分だけの好みで選びました。
とても嬉しかったです。
それがきっかけで、自分の好きなものを回りに置いて良いんだと分かって
一気にリリースされました。
自分で選ぶことが、今はとても楽しいです。