Audibleで聴きました。
怪談語り。十一はこちら。
わたしは中山さんのことを本当に話を集めているひとだと思っているんです。だからこういうことを体験したと話す人たちが、本当にいるんだろうと思って聴いています。どんな体験があってもおかしくないとは思いますけど、怪奇体験するひとがたくさんいるのか……サービス精神旺盛なひとがたくさんいるのか……、どういうことにしても実話怪談っておもしろいです。
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『鉄扉の門』
中山さんが専門学校の講師をしていたとき同僚だったひとから聴いた体験談。小学生の頃、友人三人で廃墟の日本家屋に忍び込んだ。そこで起きたとんでもない出来事。
こういう話は「廃墟に忍び込むとこんな目に遭うかもしれないよ」という教訓というか、ある種の寓話的な意味もあるんだろうなと思ってます。だれが体験したかわからない "友だちの友だちの話" なんていう場合は特に。
だけどこの話の場合、職場の同僚が自分が体験したと話しているのです。そこがわたしはおもしろいです。
ちょっと話に触れてしまうんですけど、友人のひとりが「とんでもないこと」になるんです。警察が動くようなことです。体験者はその「とんでもないこと」を直接見ていません。もうひとりの友人は見ているようだけどなにも話しません。話さないだけじゃなくてこの体験者を避けます。
怪談という作品になっているので素直に思ったことをいいますけど……お友だちはなにを見たのでしょうね。もしくはなにをしたのでしょうかね。
子ども時代の不可解な記憶(オカルトめいた記憶)って、現実的な恐ろしさに蓋をしているようにも思えたりして、いろいろ想像を掻き立てられます。
オカルトじゃないことが起こっていたとしても恐ろしいですし、オカルト的なことが起こっていたとしても恐ろしいです。サービス精神でこのような体験をしたと職場の同僚に話すのも、それはそれでなんだか恐ろしい感じがするのです。どう転んでも恐ろしいのですよ。
「郵便物」
「天井裏」
「おシカさん」
「安い家」
「兄の部屋」
「上の住人」
「サトルくん」
「返って来る車」
「鉄扉の門」
「百物語の怪」
「百物語の取材」