白石晃士の映画制作中日記 -2ページ目
北村早樹子さんのPV撮影に向け、打合せとロケハン。

それへ出かける直前までPVの脚本を書いていた。

撮影の古屋くん、美術の田中ゆうかちゃんと、古屋くんの事務所で打合せ。

その後メインのロケ場所となる北村さん宅へお邪魔してさらに細かい部分を打合せして決めていく。

…とやっていると、ゆうかちゃん案件がどんどん増えてゆうかちゃんの表情が強張っていく…。
ごめん、けどその方が面白くてカワイイ感じになりそうだから…

俺も、難しい合成が増えたので時間を考えると冷や汗…。
合成は自分でやりますので…。

しかし、エエ感じになりそうでっせ!
北村さんの曲に恥じぬPV、そして曲と北村さんのイメージを素直に伝えるPVでありたいと思っています。
今日の打合せ、

その後の食事の雑談、

いずれも未来を感じるものでした。

とにかく、面白い映画を作りたいのです。

その映画が育ちたがっている姿にスクスクと育つように。

自分や誰かのエゴで手足を切断したり、記号的な整形顔にしないように。


その映画があるべき姿に育つための手助けをする、その舵取りをするのが監督の仕事だと信じています。
北村早樹子さんという、
ミュージシャンがいます。

映画『へばの』へエンディング曲を提供しており、昨年初めて映画を見てその曲にシビレました。

その後、ある日喫茶店で打合せをしていると、店員の女性から「私ももクロちゃんが好きで『シロメ』も好きなんです!」と言われました。
後にそれが『へばの』のエンディング曲の北村早樹子さんなのだと知りました。

そして『へばの』で使われていた曲を生で聴きたくてライブへ足を運び、その歌声に感動し戦慄しました。
とにかく、揺れる高音の歌声の切迫感に、ギョッとするほど心を掴まれるのです。
「いつかPVを撮らせてください」と話していたのですが、やっとそれが実現します。

2013年1月1日発売の4thアルバム『ガール・ウォーズ』の中の1曲「だ・い・す・き」のPVを撮るのです!
しかもアルバムに先行して今月12月半ばごろにネットにUPします!

今までの北村さんの曲はほぼ全てピアノの弾き語りで、静謐かつシリアスな印象を覚えるものが中心でした。
しかし今回のアルバムでは7曲中6曲が打ち込み、かつ全体的に北村さん本人が持つユーモアを湛えています。
中でも「だ・い・す・き」はかつてないポップで明るい、キラキラした曲です。
かく言う私もPVは初、さらに今までのホラーや過激な作品群とは違う初のキラキラな乙女テイストで新境地をお見せする予定です。純粋に、歌詞と音楽と歌声からイメージしたものを映像化します。役者は使いません。登場するのは北村さんのみです。

曲の前には少々、ドラマめいたものをくっつける予定です。

はてさてどのようなものになることやら…私も楽しみです。

続報はまたこちらでも報告します。



我が家の御神体。

高橋敏幸with泥舟の傑作アルバム『何』!
ついに発売されました。

ディスクユニオンで買うと
『バチアタリ暴力人間』で作っていただいた「暴力人間の主題歌」のCD-Rが特典で付いてきます!

私もディスクユニオンで買いました。
全曲名曲の大名盤がたったの1800円!

もうね~、ホントに一曲一曲がいいんですよ。
沁みわたる曲ばかりです。
とくに「今」という曲が好きですね。
このアルバムのおかげで、私の人生がさらに豊かになりました。
ええと、前回の投稿で

今年は映画1本とVシネ4本と自主短編3本を
完成させたと書きましたが

携帯動画でも短編を4話作ったのを忘れてました…

あとちょっと特殊な成り立ちのテレビの短編も1本ありました…

あと作品のような作品でないような…
これも特殊な成り立ちのテレビの短編も1本ありました…

昨年は震災の影響もあり
仕事は少なかったのですが
今年はその反動もあるのでしょう、
けっこう忙しかったのです。

そんなわけで、今年の作品をご紹介。

◉『戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01【口裂け女捕獲作戦】』
POVスタイルのホラーシリーズ第1弾です。
昨今の氾濫するPOVものや心霊ビデオの風潮に風穴を空けるべく制作を始めたものです。
心霊ビデオを撮っているという設定で、
リアル心霊ドキュメントでは見る事のできないトンデモない出来事まで起こしてしまいます。
主演は『グロテスク』の大迫茂生さん。
1月下旬に撮影しました。
レンタル中です。

◉『戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02【震える幽霊】』
シリーズ第2弾。
FILE-01は比較的オーソドックスに作ったのでこちらは暴走してます。
これも1月下旬、FILE-01と同時に撮影しました。
レンタル中です。

◉『カルト』
これは劇場映画で、POVスタイルのホラーです。
表現としてはかなり挑戦的な事をやってます。
音楽も昨今の日本製ホラーとは一線を画しております。
あびる優さん、岩佐真悠子さん、入来茉里さん、三浦涼介さん、岡本夏美さん、小山田サユリさんが出演してます。
3月上旬に撮影しました。
よく「完成してるの?」と聞かれるんですが、既に完成しています。
今年公開予定でしたが、ご存知の方も多いと思いますが色々ありまして公開が延びています。
私見ですが、来年には公開できるのではないでしょうか。
またお知らせできる事などありましたらこちらでも報告します。
怖くて楽しい映画になっていますよ!

◉『学校の怪談』第5話「人体模型」
SKE48の皆さんをキャストに迎えて製作されたBeeTVの番組です。
三宅隆太さんに声をかけていただき実現した仕事です。
5~7分程度の1話完結形式で、
全15回のうち、私は4つのエピソードを監督しました。
撮影は5月でしたね。
現在もBeeTVにて配信中です。
「人体模型」は、言わずと知れた人体模型のお話です。
追ってくる人体模型の動きが気に入ってます。
劇映画スタイルの撮影は久々でした。

◉『学校の怪談』第10話「廃校の撮影」
廃校で行われるホラー映画の撮影、その最中に起きた出来事をPOV形式で描いています。
これはPOVでもかなーり思い切った表現をしていて、なかなか他の人には撮れないものができたと思います。
クライマックスはド派手にやってます!

◉『学校の怪談』第11話「獣」
ある民宿に泊まった大学生が体験した恐怖の出来事です。
これもドラマのスタイルで撮ってます。
他の人が書いた脚本で、とても私からは出ないような物語だったので
私が今まで撮ったどの作品とも違う面白さになっています。

◉『学校の怪談』第15話「こっくりさん」
SKEの子がバラエティ番組でこっくりさんをやらされて…
という設定のPOVものです。
これもPOVとしては思いきったことをやってると思いますし、
やっぱりクライマックスは派手めにやってます。
通常、日本のホラーは地味めを求められるのでそれが嫌で。
『学校の怪談』では本当に、思いきったことを思いきりやらせてもらえて楽しかったし、久々に劇映画スタイルで撮れたし、いずれも自信作になったので嬉しいです!

◉『高見侑里の○○な話』
6月2日放送のフジテレビ『めざましどようび』で
映画『グレイヴ・エンカウンターズ』の解説者として
日本のPOV/フェイクドキュメンタリーの作り手の立場で出演、
その際、アナウンサーの高見侑里さんのご出演で
フジテレビ内の廊下を使って即席のフェイクドキュメンタリーを撮影、
それが放送されました。
2~30分で、3テイクぐらい撮った記憶があります。
ホームビデオで私が撮影しつつ高見さんと話しつつな作品です。
内容は、幽霊を見たことがあるという場所に高見さんが案内していると
高見さんの背後に人の手が映り込む…という心霊ビデオ的なものです。
とにかく高見侑里さんが大変美しく、
同時に複雑な魅力も感じて非常に映画的に見えたので、
いつか私の映画に出てくださいとお願いしておきました。
高見さんも社交辞令も多分にあるでしょうけども前向きなお返事でしたから、
本気でいつか実現させたいと思っております。
実はこれを短時間で撮った事が、
後の一日撮影による『コワすぎ!』スピンオフシリーズを
自主製作するキッカケとなりました。
案外撮れちゃうなーと思いまして。

◉『Kudo's Secret』
7月、名古屋シネマスコーレでの『コワすぎ!』1&2上映に併せ、
1のスピンオフとして急遽自主製作した5分の短編です。
出演は『コワすぎ!』ディレクター役の大迫さんと、カメラマン役の私。
POVシリーズの『コワすぎ!』に対して、スピンオフはドラマで行こうと思い、
カメラが回っていない場所で起きた出来事を描きます。
これは1の発売後、という設定で、カメラマンの部屋にやってきたディレクターの身に起こる不可解な出来事を描いています。
上映したのはシネマスコーレだけです。

◉『To the Other Side』
これも『コワすぎ!』シネマスコーレ上映に併せて作った、7分のスピンオフ短編です。
出演は『コワすぎ!』アシスタント役の久保山智夏、2に投稿者役で登場する清瀬やえこ。
これは2の完成後、という設定で、投稿者(清瀬やえこ)の家に訪れたアシスタントとの緊迫したやりとりを描いています。
『Kudo's Secret』と同じ日に撮影しました。
これも上映したのはシネマスコーレだけですね。

◉『失踪した女優・石橋杏奈』
TBS深夜のクリエイターやアーティストの対決番組『Asian Ace』で、ショートホラー対決ということで私が選ばれ、石橋杏奈さんと吉岡睦雄さん出演で制作した5分ほどのショートムービーです。
これもPOVホラーですね。
内容的には実は『コワすぎ!』のスピンオフなものになっていまして、出てくる幽霊は『コワすぎ!FILE-02』と共通してます。こちらは震えていませんが。
全編ワンカットのように見せることで緊張感の持続を狙いました。
この辺から本格的に私が合成に手を染めていきます…。
番組では、シンガポールの監督と対決し3-0で私の勝利という結果になりました。
テレビのクルーの皆さんとの仕事は刺激的でした。
あと放送されたときは『コワすぎ!FILE-03』の撮影中で、深夜の池のほとりで河童と格闘してました。

◉『戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03【人喰い河童伝説】』
POVホラー第3弾です。
ディレクターが河童と対決します!
と書くと笑ってしまうかもですが、かなり恐怖シーンあります。
ジョーズのように河童を撮りました。
撮影は9月ですね。
来年2月にリリースされます。

◉『戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04【真相!トイレの花子さん】』
POVホラー第4弾。
一人の少女を救うため、美人霊能者・投稿者と共に撮影クルーが○○○○○○○します!
そして○○○にまで突入!
まあとにかく…トンデモないものが見れます。
POVというかフェイクドキュメンタリーの最新型をやれたんじゃないでしょうか。
怒るか笑うか戦慄するか分かりませんが、とにかくびっくりしちゃうと思いますよ!
来年3月リリースです。

◉『GOOD BYE』
これも『コワすぎ!』のスピンオフ短編として自主制作しました。
FILE-01の投稿者役の村上ROCK、FILE-03の投稿者役の河村はるかが出演してます。
これは3の前に起きた出来事で、そのとき二人は友達だったのですが、女の方が離れたところへ引っ越す事になり…という、1と3を繋ぐような内容になっています。
合成とか作り物とか、スピンオフでは最も派手な作品となりました。
『シロメ』に出演した怪談師・吉田会長が手がけるミニコミの電子書籍『怪処』に収録するため撮りおろしました。
撮影は10月14日。
まだ上映はしていません。


……と、こんな感じが今年の作品群です。

そしてあと1本、
近々に北村早樹子さんというアーティストのPVを撮影して
年内にネットにアップしますのでお楽しみに!

その件は次回に詳しく書きます。