会社を経営するという事は、全ての判断を自分でするという事です。
その日エンジンをかけたら、ガレージに戻るまで、
どこに向かうのか、
どのルートを通るのか、
いつ休憩するのかを決めなければなりません。
これを毎日、毎日、365日繰り返す事が社長の仕事です。
どの道が渋滞し、どこの交差点で右左折するか、
どのあたりでガソリンが切れるか、を
何年も先まで予測した物が事業計画書、でしょうか。
私は先の予測が出来ないダメ社長でした。
朝、エンジンをかけてから、「今日はどこへ行こうか」。
渋滞も道順も、ガソリンスタンドの場所も、
全く確認せずにスタートしていました。
たまたま大した渋滞にあう事もなく、たまたま信号が青(黄)で、
たまたま道沿いにガソリンスタンドがあった、だけなのです。
ところが私は全て自分の判断で進んでいる、
自分にはビジネスセンスがある。と勘違いしていました。
10年位はその勘違いに気づかず、
アクセル全開、片手ハンドル、
わき見運転、
時には信号無視、と言った感じでしょうか。
とうとう燃料は尽き、スタンドも見当たらず、
最後は人力で押し転がしていたのですが体力も尽きました。
順調に進んでいた、と思っていた時、
実は社員さんのおかげだった事に気づいていれば、
違う道も見えていたと思います。
自分が「社員」だった頃は、
社長の間違いや、
わがまま発言、
ワンマン経営を批判していたのに、
自分も同じタイプの社長になっていました。
うちは「社員の声を聴く会社だ」と言って会議で全員に発言を求めるくせに、
最終決断は全て社長がしていました。
意見を出しても社長が「うん」と言わないのに
「なんで意見が出ないんだ」
と怒りだすのですから
社員のモチベーションは上がるはずなどありません。
毎月無駄な会議に時間を費やしたものです。
自分が社員だった時の事を忘れ、働く人の気持ちに寄り添えず、
うまく関係を築いていく事が出来ませんでした。
社長は神輿に乗っているだけで、力を振り絞ってくれているのは社員さんなのです。
私のように、気に入らない相手を呼びつけては指示、
命令するようなら誰も雇わず一人でやればいいのです。
それなら人件費もいらず、
腹も立ちませんからストレスも溜まりません。
それが出来ないから人を雇っているのです。
出来ないからお願いするのです。
創業社長でない限り「社員」を経験せず「社長」なる人はいないでしょう。
人の意見を聞き、
働いてくれる人の声に耳を傾け、
自分が社員だった時の事を忘れない社長になって欲しいのです。