










東京国立博物館 特別展『京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ』(平成30年(2018年)10月2日(火) ~ 12月9日(日))
大報恩寺は、鎌倉初期の安貞元年(1227)に義空上人によって開創され、「千本釈迦堂」とも呼ばれている。近くに南北に走る千本通があること、千本の桜や松並木が植えられたなど、理由は諸説ある。国宝に指定されている本堂は京都市内最古の木造建築物として知られ、建物内部には、「応仁の乱」などの時についたと言われる傷が柱に残っている。また、おかめの物語の舞台でもある。
この特別展では、年に数回しか見る機会が無い秘仏の本尊木造釈迦如来坐像(重文)が初めて寺外で公開され、木造十大弟子立像、木造六観音像のような主要な仏像を全て見ることができる。 十大弟子立像が快慶の工房作、釈迦如来坐像が快慶の高弟である行快作、六観音像が運慶の弟子の肥後別当定慶作である。
十大弟子立像のうち目犍連の足枘、優婆離像の像内に快慶作を表す墨書があるので、まとめて快慶の工房で作られたと考えられている。久しぶりの対面で、個人的には、人柄をそのまま表すような写実性に優れた迦旃延の表情が特に印象深い。背中が丸まっている目犍連の老いた姿は、何一つ現存していない快慶その人の姿を表しているかのように思えた。
滅多に厨子が御開帳されないからか、釈迦如来坐像の保存状態がとりわけよく、眼鼻のはっきりとした表情が凛々しい。運慶作の座像に共通する、わずかに上半身が後ろに傾いた造りではなく、運慶からの影響を大きくは感じなかった。六観音像と同様に、光背を含めて「よくぞここまで」と思うほど奇麗に残っている。
六観音像については、10月30日(火)以降は光背を外して展示する予定である。不思議なことに、横須賀市の万願寺の観音菩薩像と地蔵菩薩像の顔を即座に思い出した。これらの横須賀の仏像を運慶作とするには異議があるが、6躯に共通する張りのある表情から運慶からの影響を強く感じた。出口に一番近い聖観音だけは写真撮影ができる。仏像をこのように自由に撮影できる機会は滅多にないので貴重。
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東京国立博物館平成館の入り口
きキΝЛ┃定慶作六観音像の聖観音