今回の主役はドラゴンという名の漢(おとこ)。
奴との付き合いは高2からだから、もう13年になるのかぁ…
とにかくマイペースな漢だ。
己の本能にとても忠実で、
眠くなればどこでも平気で寝る、
腹が減れば直ぐに何か喰い始めるという、極めて原始的な漢。
時間にはとてもルーズで、待ち合わせに遅れずに来たのは、これまでに5回あるかないか。
物凄い痩せの大喰いで、常に何か喰ってないと気が済まず、
ファミレスに行けば、平気で5,000円分くらい喰ってしまうからたまらない!
よくある事なのだが、待ち合わせに明らかに遅れているのに、
腹が減ったからと平気で吉野家で牛丼を喰ってしまうほどのマイペースぶり。
それでいて遅れてきた事に対して謝るわけではなく、まったく悪びれた様子は無い。
むしろ、腹が減ったのだから飯を喰うのは当り前だろうと言い出すから手におえない!!
そんなマイペース過ぎる漢、ドラゴンの普通では考えられない事件をこれから書くから。
数年前だよ、仲間何人かで勝浦の海に行ったのは。
運転手はドラゴン、俺様は助手席に座っていた。
待ち合わせは6:00だったが、ドラゴンが当然時間通りに来るわけは無く、
この時点で時刻は既に6:30を回っていた。
道中も急いでいるのに、途中で腹が減ったからと突然コンビニに寄ってパンとおにぎり、
それに大好物のカリカリ梅を買ったり、
海でバーべキューすることになっているのに、
突然『海でパスタが喰いたい』と言い出して、スーパーを何件か回ったりで、
ようやく目的地である勝浦に着いたのは10:30を回り掛けた頃。
あと少しで着くというのに、運転手のドラゴンは突然『眠い!』を連発し始めた。
この漢にとって、睡魔は何より苦手なもので、
眠くなると当り前のように居眠り運転をするんだわ。
ホント、今まで命に関わるような大きな事故を起こしていないのが不思議なくらい。
まぁ、小さな事故は頻繁に起こしているんだが…
俺様『眠いなら、運転代わるか?』
ドラゴン『う~ん、大丈夫だろう、あと少しだし』
ホントにあと少しだった。
時間にすれば15分くらいだな。
その間も『眠い!』を連発するドラゴン。
ホント、お前は“我慢”が出来ない漢だなぁ。
マジで本能に忠実過ぎだっつーの!
そして、遂に海水浴場の駐車場に着いた。
日陰である岩場の手前に車を停めた。
俺様『さぁ、行こうぜ』
久々の海にテンションが上がり気味の俺様は勢い良く車を飛び出した!
すると、その瞬間…
バキッ!!
俺様は突然、何かに左足を轢かれたんだよ!!!
『痛ぇ~』
突然の事に、大声で叫ぶ俺様。
更に、その次の瞬間…
ボフッ!
もの凄い鈍い音が俺様の後方で聞こえた!!
?????
一体、この瞬間に何が起こったんだ?
俺様は痛む足を引きずりながら、音がした方向に目をやると…
ほんの数秒前まで俺様が助手席に乗っていたドラゴンの車が、
信じられないことに岩場に激突してるんだわ!
しかも、自分の車が岩場に激突してるのに、
運転手のドラゴンはハンドルを握りながら爆睡してるし…
これで解ったぞ。
俺様の左足を轢いたのはドラゴンだ!
ということは…
俺様は自分が2秒前まで乗っていた車に、轢かれた事になるのかよっ!!
後から“加害者”であるドラゴンに、“被害者”である俺様が問い詰めたところ、
奴は駐車場に車を停めた瞬間に寝てしまったんだってよ。
しかも、俺様を轢いた事や、車をぶつけた事などを一切憶えていないと言うんだぜ。
ホント、普通に考えればこんな事は絶対に有り得ないんだが、
それがドラゴンなら充分に有り得てしまうんだわ。
なぁ、もう少し大人になろうぜ、ドラゴン。
俺たち、もうすぐ30歳なんだからさ…