そうふ岩 | 遊び心の釣り仲間たち
https://www.youtube.com/watch?v=psm0hmcWBQg
孀婦岩(そうふいわ)



空と海が交ぐ合う、遥か彼方の水平線上に、気がつくと、それはひっそりと姿を現していた。
東京から真南に下ること660km。團伊玖磨が『九つの空』に記し、開高健が『完本私の釣魚大全』に書いている[孀婦岩]は、空と海が曖昧模糊となって溶け合うハザマの中に霞んでたたずみ、懸命に凝視していると現れ、目を離せば消える、モロくて危なげな幻であった。
地図を開くと八丈島の先に小島と岩礁の連なりがある。
北から順に青ヶ島、べヨネーズ列岩、明神礁、須美寿島、そして無人島となって久しい鳥島。
孀婦岩(北緯29 度47 分38 秒、東経140 度20 分07 秒)は更にその先に位置するのだから、絶海のど真ん中である。
周囲は伊豆・小笠原海溝と駿河トラフのに挟まれた世界でも有数の深海。
その水深2,000mの海底から、垂直にグググーンと立ち上がって、頂上部分の99mを海面からのぞかせている奇岩、それが嫂婦岩です。