「母と暮らせば」観ました | オカハセのブログ

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22日の日、久しぶりに映画を観ました(何年振りだろう?)。
吉永小百合&二宮和也が親子役で出演の「母と暮らせば」です。

あまり詳しく書くとネタバレになってしまいますので詳しくは書けないのですが…

長崎が舞台の、原爆で二宮君演じる「浩二」が一瞬にして亡くなり、吉永さん演じる母親の前に亡霊として現れる。

この映画を観て僕が最も感心した部分は、「人間の二面性ゆえの心の中の葛藤」みたいな部分です。
浩二には結婚前提の彼女がいて、残された彼女は「私は一生恋愛しない」と決める。だけど浩二の母は「もう浩二は戻って来ないんだから誰かいい人を見つけて幸せになりなさい」と言う。亡霊の浩二は最初「僕以外の男と恋愛することは許せない」と泣きながら消える。だけど次に母の前に現れた時「僕のことを忘れられるくらいの男が現れたら幸せになって欲しい」と言う。浩二の彼女はある日婚約者を連れて浩二の母に挨拶に来る。そして帰り際に彼女は浩二の母に抱きつき「お母さん、ごめんなさい、ごめんなさい」と泣きながら言う。母はその後浩二に「なんであの子だけ幸せになるの?浩二の変わりにあの子が亡くなれば良かった」と言い浩二に酷く怒られる。

こういう心の葛藤は誰にでもあることですね。

あまり書くと観てない人が物足りなくなるのでこのくらいにします(笑)。

子役の演技がまた素晴らくて涙を誘います。

もちろん吉永さんと二宮君の演技は素晴らしく【まるで本当の親子】でした。

12日に始まった映画なのでお正月明けも上映していると思います。

山田洋次監督の作品が好きな人はもちろん、あまり好きじゃない人も楽しめると思います。
戦争で負った心の傷は、綺麗事ばかりは言えなくて幸せになる人を責めたくなるくらいにある意味病んでいたのだと思います。
野坂昭如の名作「火垂るの墓」でも、清太と節子が世話になった西宮の叔母が意地悪なのは「なんでこんな意地悪な事を言うの?」と思いますが【それ程に戦争というものが人の心に深い傷を残してしまう】ものだったのだろうと思います。
だけど、「母と暮らせば」にしろ「火垂るの墓」にしろ、皆んな物分りが良くて理不尽な思いにならないストーリーなら、つまらない映画になるのかもしれません。
あっ、だけど母と暮らせばの登場人物たちは意地悪な人はいませんよ(笑)。

僕はいい映画だと思いました。




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