30年近く前の話だが当時働いていた高齢者の入所施設での出来事。
下肢閉塞性動脈硬化症により膝上から足を切断したAさん。
足がなくなった分、身体も軽くなり、移乗は楽になったけど、
足の重み、大切さも込めて、改めて重みを感じた。
布団を掛けても、足元はぺちゃんこで、さみしさも感じた。
前向きで笑顔が絶えないAさんだが、お別れの時がきた。
身寄りのないAさん、施設で葬式を挙げました。
エンゼルケアが終わり霊安室で寝ているAさん、
お葬式が終わるまで線香を絶やさないように
スタッフが交替で付き添います。
1人のスタッフが、ちょっと来て~!と叫びました。
そこに居たみんながAさんを見て驚きました。
あっ、あっ、あしが…。生えてます…。
足元がぺちゃんこだった布団がふっくらと。
えっ!Aさん、こんなに背が高かった?嘘やろ?と、
布団をめくりました。 ……でも、足はありません。
あ、見間違えか。と、布団を掛けました。
でも!やっぱり! 布団がぺちゃんこにならないのです。
失礼ながらも布団の上から足元を押さえると、ぺちゃんこなります。
でも、すぐ、布団がふっくら戻ります。 化学現象なのかも知れないけど、
スタッフ全員で、Aさん、やっと身体が1つになれたんやね、良かったね。と、
送り出しました。
切断した足は先に埋葬された。と私たちは聞かされていたので、
亡くなった事は辛いが足だけ先に眠っていたのが、今また1つの身体に戻ったんやね。
との想いで嬉しかったです。
Aさんは、私が初めてエンゼルケアをさせてもらった方です。
初めて施設でのお葬式を体験させてもらった方です。
今でもあの日の事、覚えています。
これから介護職を目指す方、現役で頑張ってる方、
介護職って辛い事や理屈に合わない事が多すぎる程あります。
でも、普通では体験できない事も多々あります。
人の人生を支える仕事、自分の人生の支えにもなります。
どうか、自分に合った事業所をみつけ、いい上司に出会い、
自分の潜在能力を発揮して下さい。
事業所はたくさん、あります。どこかでみなさんを待っています。求めています。
そして管理者の方、利用者・職員、双方に安楽が保てる事業所を作って下さい。
お金儲けだけに捉われず現場で頑張っている職員に向き合って下さい。