コロナという敵の一部は

案外、私たちの心の中にある。



どっかで

もういいんじゃない?

もういけるよね?

もうこれくらいいいよね?



この欲に支配されてしまう。

その欲はおそらく世界共通で。

日本人だけではない。



各国のリーダーたちは

その大衆の欲求を意図的に

抑えなければならなかった。



人間の弱点をこれでもかと

突いてくるウイルス。

彼らは私たちの欲をそそのかす。



したたかな敵を相手にする場合に

絶対に見せてはいけない弱みだから。



だから強制力のある方法を用いるのだ。

これは権利がどうとかの問題を

意識しているとなかなか決断できない。



非常時において、できないことを

決断すべきときに決断する。

それがリーダーの仕事だとわかっている。

だから他の国は躊躇しない。



それに対して、極東の島国。

非常時にまで法律の根拠を求める。



平和な日本で半世紀以上

過ごしてきた私たちには

非常時にまで、現行法の法的根拠は

想定されていなかったのだろう。



だから急にやろうとしても

どうしても根拠が見つからない。



忘れたころに偶然出てくる

探し物なんかでもないから

待っていても見つかりはしない。



古い法律の根拠であっても

時代に則さないまま放置されたもので

対応しようとしてしまう。



そしてなによりもブレーキになるのは

誰もやらないことをやる責任を

追及されることを恐れること。



なんなら、彼らに私たち大衆は

怖がる子どもを勇気づけ、あやすように

責任を追及しないから頑張りなさい、

とやさしく言わなければならない。



レトロな建物、世界遺産など

古いものを変えずに遺す文化が

悪い方向に出てしまっているのだ。



そしてスタートの一歩が

どうしても遅れてしまう。



コロナ対応は言ってみれば

短距離走であると思う。



スタートの出遅れが致命傷。

反応、一歩、瞬発力、集中力。

あらゆるものが遅れて後手を踏む。



その遅れが最後まで尾を引いて

取り戻せないで終わってしまう。



さらに、コロナ対応というのは

短距離走でありながら

ゴールを指定できていないままの

長距離走なのである。



私たち日本人は短距離走だと思うと

どうしても事前に準備をして

各部署の意思の疎通を図ってから

始めるのが定石と考える。



そして短距離走として認識して

短距離走を研究して対応を事前に

練り上げていないとダメなのである。



臨機応変に自分たちの判断で

ペースを変化させることが不得意。

決めていることだけできる、やる。



サッカーでも何度もみられた光景。

練り上げて練習を積み重ねた戦術で

想定した範囲内でなら任務をこなす。



これはどこの国より忠実に

そして正確にこなしてみせる。

それがハマったときは強い。



けど、相手が想定に無いことを

仕掛けてきたりすると、

途端に混乱をきたしてしまう。



これに対応できるかできないか

これが「本当の強さ」である。



メンタルの弱さと雑に言われるが

その弱さの原因の質が他の国と違う。



国民性が色濃く出てその差が

非常時においては致命的な欠陥となる。



周到に準備をしてきたことは

プレッシャーの中でもなんとか

こなせるところまでは来ている。



プランが無いときに

アクションを起こそうという

スイッチは、本来

全人類に標準装備されている。



しかし、あったとしても

日本の場合その能力を

育て上げていないから

押してもスイッチが入らないのだ。

ぐにょ~んって、吸収されるだけ。



おそらくあらゆる問題が

遅々として進まないのは

このスイッチが「おこちゃま」だから。



このスイッチを成長させるような

育て方をしないかぎりは

日本はあらゆる問題への対応で

後れを取り続けるだけだ。



すぐに育てられるものではない。

だが、あきらめても何も変わらない。



意識して改善するのをやめないこと。

普段ならやらないことをやってみること。

恥ずかしくても、めんどくさくても。

それしかないと思う。



誰かの指示に頼らず、自分で決める。

各自が決めたことに、ちゃんと

前に進めるためのアクションを起こす。



足を引っ張っても前には進めない。

待ちのリアクションをしないで

呼応しつつ、前へ積極的にアクション。



誰かをフォローしてついていく

ばかりの姿勢はもうやめよう。

その心理も同じことだから。



SNSの隆盛の悪い部分は

誰かの意見に流されて主体性すら

自分で意識しなくなることだ。



特に日本人には顕著でブレーキに

なっているような気がしますね。



待っているだけでは、もう終わる。

だが、仕掛けていけばできることは

まだまだたくさんあると思います。



自戒の念を込めて。