この世代で不遇を味わった人たちを

正社員にしようという支援をする。

あるいは、ひきこもりの人たちを

社会に「適応」させるように支援する。

そういうプランだそうだ・・・



最近、なんかの拍子に見かけた。

厚労省から全国各地の自治体へ

体制を整えて始まるのだというが。



結論から言うと、いままでと

同じつくり方してるんです。

散々失敗してきた反省もなく

同じシステムの延長上で

助けようとしても助けられませんよ。



知識とか技術とか身につける?

そんな問題じゃない。

これまでのしくみの同じ駒として

扱うだけで本人は何も変えられない。



自分たちの常識を何も変えないで

相手を助けようとしても

相手には通用しないというか

届かない場合が多いですからね。



結局、既存の正社員の連中の

マウンティングが強くなるだけです。



彼らは自分たちのポジションに割って

入ってくる存在を警戒するわけですから。



こうすべきだ、という前提を

あえて疑って別の視点で取り組もうとは

しないでしょ?つくり手の側が。

その否定から入るのが一番大事。



難しいのも百も承知。

でもやらなければ現状を打開できない。



同じ痒いところをかいては薬をぬり、

また痒くなって、の繰り返し。

効かない薬の出費だけがかさむ。



同じカテゴリー(=正社員)にされる

現役世代もあまり良い気持ちしない。



彼らにとっては正社員という座を

競争によって勝ち抜いてつかんだ

という自負があるでしょうから。



同じレールに乗せてやってくれよと

国から地域、地域から企業に

その企業も上司から部下へ。

お願いリレーが続く。その果て。



やらせる人に負担をかけることを

平気で押し付ける愚策の繰り返し。

一番下の人たちへしわ寄せがいく。



放り込んであとは皆さんで。

いつもこうで、いつも失敗。



しくみをつくる段階でいろんな人の

意見を聴いても、自分たちがやれる

パターンでしかやろうとしない。



たぶん、新しい発想ができていない。

そこが一番の欠点であって

いつも治そうともしない病気ですね。



やってきたことしかできないから。

学んだといっても新しく生み出すことは

学んできていないからできないんです。



やった雰囲気だけ出して

何も解決できないまま

時間だけが流れる。

数十年ずっとコレでしょ?



実際、職場をつくるのは

その職場の現場の人たち。

彼らに手間をかけさせる流れ。



その世代が正社員になるとしても

なんか認めたくない感情も

無意味に強くなるだけです。



結局、形だけ助けるには助けるけど

助けて「末席」を用意してるだけ。

最終的にそうなる公算が高い。

真っ先にすべきことは、これじゃない。



これじゃ、動かないんですよ。

これじゃ、これまでの失敗と変わらない。



その支援対象の人たちを一瞬、

動かせたとしても続かないはずです。



我慢して生活してください。

最後は生活保護がありますからって

いうんでしょう?(笑)



たぶん彼ら国側の人間たちは

相手の支援対象の人の気持ちに

鈍感すぎるんですよ。



同じ経験をした人の気持ちが

わからないとできないことって

あるでしょ?



自分のルール越しに見てる。

ルールから外れた人を助けるとき

ルールのカーテン越しに

手を握れますか?



仕事としてキチンと業務をこなすことで

あとは本人たちが成長してくれたらと

本気でそう思っていそうですから(笑)



駒をつくるんじゃない。

しくみづくりの根本から変える。

こうすべき、という前例を外さないと。



みんなが正解率100%の答えを

あえて逆に正解にしないくらいでないと。

たぶん、普通の勝ち組感覚の人には

できないことなんだろうと思います。



究極をいうと、支援対象の人たちは

社会の成功者たちと同じ生活や人生を

送りたいとは、もう思っていない人が多い。

って、ワタクシは想像しています(笑)



もう遅いんですよ、立て直すにも

人生、年を取りすぎた人が多いんです。



同じ年齢の勝ち組の経済的余裕や

家族や子育て、ライフプランを

数十年あとから追いかけるんです。

追いつけやしません。



そういう人を再起動させるには

普通の感覚(正社員やデータ上の感覚)

では動いてこないと感じるんです。



彼らの立ち位置、視線の高さ。

経済的状況、年齢、家族構成。

あらゆる角度を彼らの基準で

彼ら個別に判断していって

初めて、彼らの心が再起動する。



厚労省らは、せっかくやってやるのに

なんでこんなに・・・って思うでしょう。



でもこのやり方じゃ動かないですよ。

やらせようとするから、動かないんです。



根本的に、雇ってやってくださいと

企業側に感情的な負担がある。



負担とは、良い悪いを問わず

重荷になるんです。



コロナ禍で負担が増しているのに

助成金を活用してなんとか

「雇ってやって」くださいって。



正直、この時代ですから

扱いに神経を使うと感じるでしょう。

非正規もひきこもりも両方とも。



企業側にも助成金程度では

精神的な負担が割に合わない

と感じさせると思います。



おそらくコロナの前からの

計画だったんでしょうけどね。

決めたことを計画どおりに

進めようとする悪いクセが出て

またムダに終わること必至。



ただでさえこの世代とひきこもりも含め

社会が見捨てたという意識が強いまま。



勝ち組は勝ち抜いた意識が高まり、

負け組は同じステージにさえ立てたら

自分だってできる、という自負が

あるはずだと思いますね。

実際、それほど同じポジションを

同時にスタートさせたら大差ない。



本人は見捨てられたという側面と

うまく立ち回れなかった敗北感が

強くにじみ出てしまうんです。



だからサポート側や企業側が

ちゃんとしてる団体だと逆にダメ。

なんで?って思うでしょうけど

これまでの延長線上で考えるから。



見えない社会のシステムに

大きく引っ張られた流れを

止めない限り解決しないんです。



これまでの虐げられ感や、

ねじ曲げて偏屈になってしまった

感情も邪魔をしてしまうんです。



おそらくいまの構図の働く社会に

正社員を目標で進んでいっても

また勝ち負けがつく世界で

アドバンテージのある勝ち組と

戦わなければならない。



もうそういう精神的なタフさを

鍛えられる年齢的な余裕がない。



だからこそ、起業する選択肢を

持たせて支援する動きが必要なんです。



彼らだってただ、過ごしていた

わけでもないでしょう。



生きてきて、考えてきたなりに

アイデアを実現させたいこと、

やってみたいことがあるはずです。



そこをうまくコーディネイトする。

自主性を確立させながら自立させる。

そっちのほうがやる気が出るんです。



社会のなかで自分の欲する

ポジションにはすでに誰かがついている。

じゃあ、何ができるか。



ポジションを自分たちで

つくることだって可能でしょ?



そのポジションづくりは無限にできる。

挑戦することが生きがいになる。



自分の人生を彼らも考えたときに

何も成し遂げない、挑戦もしないまま

生活するだけの残りの人生で

満足できるのだろうか。



大事なのは同じしくみの中に

ポジションを割り当てるのではなく

ポジションをつくらせること。



その支援をする人のつながりを

コーディネイトすることでしょう。



これこそ、本来いろんなパイプをもつ

行政がやるべきことだと感じますね。