幸か不幸か、いや違うか。
なんとなくだろうな。
毎日、なんらかの形で
新規感染者数と重症者数を
知らされてしまう。
この見えないダメージの蓄積。
まったく数字を報道しなくなると
どうなるのだろうかと
想像してみたりするんですよ。
このご時世、ある程度調べるでしょ?
調べたら出てくるわけで。
あえて新聞や、テレビやラジオといった
一次的な媒体で流す必要もないのかなと。
まぁワタクシが勝手に第一次的な媒体と
命名してみただけですけど。
基本的に60代以降を想定してるこの層。
たぶん、ネットよりテレビ、ラジオ、新聞。
この世代以上の人たちってそうだと思うんです。
彼らには、数字を毎日お経のように
垂れ流し状態で聴かされていく。
テレビやラジオ、新聞といった媒体は
もう彼らの世代のなかでは、
選択をするという余地がないものとして
日常に入り込んでいるという
状態ではないだろうか。
ネット媒体は彼らにとっては
ちょっと選択の余地が残された分野。
たとえ、スマホを持っていても
持たされているだけで日常的に電話以外は
使わない、という人が多い世代だと思う。
一次的に情報に触れるテレビやラジオ
そして新聞がトータルで果たす役割が
時代を経て変わってきているのではないか。
むかしは知らないことを知らせてくれた。
非常に助かる思いもしたし、世の中の
出来事を知る大事な媒体として成長した。
しかし新聞がラジオ、テレビと変わり
そのすべてを日常のかたわらに
自然にある状態で生きてきた人に、ネット。
ネットを彼らはもう選択しないだろう。
しかし、新聞やラジオやテレビの側は
ネットと争うように、あるいは共闘するように
情報を我先にと拡散し続けていく。
なんとか処理できる若い世代と対照的に
もう情報は、少なくてもいいとさえ思う
そんな年代の人間には過度な情報は
ストレスでしかないのではないか。
知ってしまうという恐怖、
知らないでいるという安心。
人間は情報でいかようにも左右できる。
情報は人の心に巣食い、疑心暗鬼になる。
イヤになるだろうなぁ。
気持ちがふさぎ込んでしまう。
もともと日常生活もうまくできなくなってきて
老いを少しずつ、受け入れながら馴染ませ、
大変ながらも生活をしている人が多い。
それ以上に大変な気遣いをしながら
生活するということは、若い世代が
想像を絶する負担が、肉体的にも
精神的にも、かかっていくわけで。
人と会って話す、近づいて話す、触れる。
大きな声で笑い、発散することで
なんらかのリセット感を得ていたのだと思う。
それがいま、彼らはコロナによって
封じられているんですよね。
体力や生命力が、老い以外の理由で
知らず知らずのうちに、削られてゆく。
これもまた人生なんだろうか。
しかし、近づいて助けたいけど
近づいちゃいけないと思い込み、
助けたいけど、助けられない。
ホントにそうかなぁと自問する。
コロナ禍を理由にちょっと
関わりが少なくなってホッとしてる
自分もいたりするのかもしれない。
コロナ禍でなければなぁ・・・
もっとコミュニケーションとって
話して笑って。何気なく会話して。
出来ていただろうなぁと思うし。
夫婦二人きりで夫に先立たれて
ひっそりと暮らす80代の叔母さんが
ワタクシにもいて、同じ市内に住んでる。
その人を思うと、顔出して話を聞いて
少しでも気持ちが晴れればいいなと
思ったりもする。
でもコロナがちらつき、逡巡する。
でも、コロナを言い訳にしていないか?
と自問してみたりもするんです。
独りでいる人の精神状態が
一番気になる。
誰か知り合いがそばにいて、
ある程度、コミュニケーションが
取れているならまだいいんだけど。
親戚以外はそういう付き合いがない人。
いまの時代はこのコロナ禍によって
少し後回しというか、忘れ去られがちだけど
独居老人が潜在的に増えている。
独りでいると、独りで考え、
逆に考えたくなくなったり、
アレコレと要らぬことまで考えすぎて、
何もかも悲観的に、抱え込んでしまう。
独りはねぇ。やっぱりつらいだろうな。
数十年後の自分を見るようでもある。
いろんな遠慮、気づかいが、すれ違う。
やっぱり久々に叔母さんに
会いにいってみようかな。
玄関先で少し話すだけでも、
ちょっと違うのではと思うし。
自分がしてやれることを
ちょっと、勇気を出して。
こんな自分でも何か役に立つのなら。
ああ、なんかちょっと泣けてきた(笑)
(追記)
本日、叔母さんの顔を見に行った。
元気で良かった。
時間にすると30分もなかったけど
病院に行ってたり、
ヘルパーに来てもらったりと
他にもご近所の人たちの助けもあり、
塞ぎこまずに表情も明るかった。
余計な気を遣わせるとアレだから
あえて手ぶらでいきました(笑)
でも良かった。
自分も少し心が軽くなった。
なんかあれば連絡してと電話番号を渡して。
また折を見て話し相手になりに
行こうかなと思います。
ほんの少しの勇気って大事ですね。