競馬予想ネタで書いていたんですが、
今回は競走馬と感情について
もう少し自分なりに掘り下げて。
状態がよければ、ということで一応
競馬のG1レース、ジャパンカップに
今年の誕生した無敗の3歳の三冠馬同士が
登録するようで、雌雄を決する大一番に。
ご存じの方もいるかと思いますが、
三歳牡馬のコントレイル、そして
三歳牝馬のデアリングタクト。
今年は無敗の三冠馬が
牡馬牝馬ともに誕生。
今年はコロナ禍で、上半期は
スポーツ自体が開催されていなくて
やっているのが競馬だけ、という
時期もあったのでニュース等で
見聞きした方も多いと思います。
競馬というのは、みたいなことは
書きませんし、それぞれの接し方や
捉え方でいいと思います(笑)
気になっているのはこの2頭も
そうなんですけどここまではあまり、
「感情がみえない」馬なんですよ。
強い、強いな。って、思う。
でもそれ以上でも、それ以下でもない。
いまのところは。
先週、アーモンドアイという牝馬が
G1レース史上最多の8勝という
偉業を成し遂げた。
このアーモンドアイと三歳の三冠馬の
対決がなるのか?という話題も。
このアーモンドアイも強いんだけど
淡々としてこなすように準備を整えられ
計画的に、仕上げられレースに臨み、
結果を出す仕事人のようなイメージ。
ワタクシは人間も馬もそうですけど、
感情がみえる人や出来事が好きなんです。
根底にあるのは、ととのえられたモノより
リアルな感情が見えるほうに、
心を揺さぶられてしまうこと。
実は、ほとんどの人は内心は
そうではないかと思っています(笑)
だから競馬なら勝負度外視であっても
常に期待通り走ってくれるよりも、
オレサマが走りたいときに、
走りたいから走るんだという
ゴールドシップのような馬が好きになる。
馬券を超える魅力があるか否か。
ゴールドシップという馬は、
ガキ大将そのままの感情が見える馬。
逸話は数知れずですが、
ファンには愛されている馬でした。
私たちは心を揺さぶられてしまう馬に
どうしても、感情移入してしまう。
どこか、だよなそういう日もあるよな。
機械じゃないんだから、できない日も
やりたくない日もあるんだ。
という私たちにも共感できるような
奥底の心の叫びを呼び覚ますかのように。
そういうリアルな感情が人間の社会で
ちょっとないがしろにされている感じが
全体としてあるからなのかもしれない。
近年は勝つための最大公約数的に
効率と成果を極限にまで突き詰めて
研究しつくされた最新の科学や技術を
駆使して、つくりあげてくる。
そこはやはり経済動物の側面をもつ、
サラブレッドならではの感覚がある。
でも人間の社会も同じような感じで
突き詰めていく流れになっているでしょ?
間違ってはいないと思う。
ビジネスであり勝つために最善を尽くす。
その成果が今のトレンドになるのだから。
ただファンは一方では、
ちょっと失敗するけど愛されている
つくられていないキャラクターに
ついつい、魅了されてしまう。
自分たち人間の社会も
それぞれが駒としての役割を持ち
全体の成果を常に求められている。
そのプレッシャーのなかで結果を
残し続けなければという世界を
私たち自身でつくりあげてしまっている。
ミスが許されなくなり、息苦しさの中で
必死でついていくことしかできない。
その境遇に、慰めのように現れる
個性的な、従順じゃない馬に惹かれる。
人間でも同じタイプに惹かれてしまう。
休みを休みと思えない生活サイクル。
仕事や家庭、子育て、介護など、
次々とタスクを課せられ続ける。
そして、コロナ禍が突き刺さる。
自らのストレスを解放するように
他人のミスを責めて溜飲を下げて。
見過ごすことができない風潮を
私たち自身でつくりあげてきた。
そんな時代を映す競走馬のトレンドと
私たちの社会はリンクしている。
すごいのはすごい。
でも馬の向こうには人間の欲がある。
人間の意思がそうさせていく。
その人間のエゴにからだ全体で
自分を主張している馬や人に
どこか自分たちの気持ちを託している、
そんな感覚もあるのではないか。
私たち人間社会においても
風穴を開けてくれ!と
誰かに、誰となく、
心のなかで叫んでいる。
私たちはそういう誰かをずっと、
待ち望んでいるのかもしれない。