施（ほどこ）すってどこか
上からくる感じなんですよね。
ドラマ「半沢直樹」のなかでは
頭取の中野渡（北大路）に恩情を
「かけてもらった」大和田（香川）
彼が逆襲を仕掛けていく意味での
「恩を仇で返す」に近い意味での
恩返しでしょう？(笑)
頭取もそこわかってる感じのね。
そういう含みを持たせた感じまる出しで。
想像力を掻き立て、膨らませる余地を、
意図的に残す感じがニクイ(笑)
あの「メヂカラドラマ」は
離れてテレビを見ることを
推進する効果もあるのでは。
歌舞伎役者びいき？というか
そのほうが有利な感じの
画素粗めのほうが助かるドラマ。
でもあの過剰が面白いんです。
ピンポイントでビタっとハマるよりは
ちょっとズレる誇張があるほうが
人間の狂気をくすぐるというか。
はらわた煮えくり返るような
会社や上司への思いを
代弁してくれる主人公に対して、
自分ができないことの
代償行為のような、くすぐり方がみえる。
言えないよ、そんなこと。
っていう自分のモヤモヤを抱える
私たちを昇天させるドラマ。
どこか昨今のSNSの誹謗中傷行為と
なんとなく似ているかもしれない。
衝動に駆られるように焚きつける感じが。
自分の中の何かに火をつける感じが。
若干、過剰すぎるくらいが話題になる。
甘さを引き立てる塩っけのような。
あまりにキツくなると
逆に離れていってしまうが
絶妙なバランスを最後まで維持できるか？
メヂカラ、憎たらしい、キーワード遊び。
国民をわかりやすく操ろうという、
ホドコシを受けているのかもしれません(笑)
もちろんホドコシに乗って、
楽しむのが一番でしょう、
それでいいんです(笑)
あと、人間がどこかで
ウスウス感じている問題。
うまくいっていない人がもつ
破壊願望みたいなものを
満たしたい達成したい欲を
刺激しているような、
裏テーマが隠れている気がする。
コロナはもっと酷くなればいいと
心のどこかで思っていたり。
口に出していえない衝動のようなもの。
リセットに向かう願望のような。
いまの勝ち負けをいったんゼロにしたい
そんな気持ちを潜在的に抱えている人の
心をくすぐるような感じもする。
そんなことないよってのは勝者の弁。
今の時代、勝者は１割もいませんから。
口に出せない破壊願望が、
ギラギラ出ちゃうのがSNSでしょう？
匿名性があるからこそ出てしまう、
心の中の邪悪な衝動。
半沢の反骨精神みたいなものに
自分を重ねていく気持ちもある。
自分の敗者復活のような「なぞり方」
時代にその気持ちも重ねて、
コロナでもっと悪くなれ、悪くなって
勝ち負けリセットさせてくれ！みたいな。
裏テーマを自分で設定して
ちょっぴり破壊願望を満たすような(笑)
ワタクシも含めて世間の負け組は
本来の意味で、ほどこされてはいない。
恵まれない人を助けるイメージでの
ほどこしを負け組たちは、
まったくもって受けていない(笑)
というか、勝ち組を損させてまで
負け組をほどこすことはしないでしょう(笑)
そういうあぐらをかいている勝ち組を
ロスジェネ世代が逆襲するように
半沢が立ち向かうサマに自分を重ねる。
大和田や伊佐山(猿之助)らを
バッサバッサと切り倒していく感じ、
昔から時代劇と同じで大衆が好む
あのテイストを思い描きながら。
日本人は好きですよ、時代が変わっても
ほどこされてしまう、あのテイストが。
保身のために悪さに手を染める悪役。
悪役に負けじと立ち向かう主人公。
私たちは両方の気持ちを実は抱えている。
いつもバランスをとりながら、
マチガイを犯さないようにと。
自らに施しているんです、きっと。
なんか最後意味わからない感じですが、
なんとなくスガシカオの｢progress｣が
ワタクシの頭の中で流れてきました。
想像力でなんとなく感じとって下さい(笑)