ドラマ「ハケンの品格」ねぇ。
当時はワタクシも観ていない気がするんです。
当時の流れでは正社員登用の途も皆無に等しく
自力でステップアップできる職場環境とは
程遠かった時代でもありますよね。
2020年とは隔世の感が(笑)
2020年の視点からみてしまうとね、どうしても。
あの時代は、なんだかうまくいかないことが
社会全体として多かったなぁと感じます。
少しずつ労働者の権利をより平等にしようと
いろいろと法改正して改革しようとしてますが、
結局、制度的に格差は根本から解消されないまま。
時代もPCからスマホが主役になり、
便利なツールで個人の発信力が高まった。
個人の能力の引き出し方というか、
道の拓き方が増えたような気がします。
少なくとも2000年代よりは。
昨日放送されている2007年のを
チラッとみました。
3割くらいの集中力で(笑)
あのドラマ全体からこぼれるテイストは、
いまの時代の質感とは、なんていうか、
ちょっと違う、なんか違和感がありますよね。
勧善懲悪みたいな、ごくせんシリーズみたいな
あの流れの当時の流行りのつくり方なんでしょう。
まだ時代がそういうものを求めていた。
直感で思ったのは、こりゃ、同じテイストで
2020年もやるんであれば、流行らんぞと。
たぶん、より格差が広がって固定化した。
仕事に対するプライドみたいなものよりも、
そこはどうにもならないと達観してしまう。
プライベートの充実に自分を傾けさせて、
現実から少し、逃避する方向で楽しみを追求する。
つまらない現実と、そのプレッシャーを逃がす
時代になってきたのかなと思います。
自分を満たすアプリにドップリとね。
もうあのテイスト、当時経験している人なら
なおさら、嫌気がさしてる気がしますね。
懐かしさですべて受け入れるわけではない。
こんなん好きでしょ?って入り方がもうムリ。
まぁ、あくまで主観ですけども(笑)
そういう派遣とかの枠に対する、
古い時代の遺物のような
既に関心の外にあるものとして、
ちょっと距離置いて、みつめるような感じかな。
おそらくもう、枠に自分から入ることや、
枠の中で力を最大限発揮して機能するより、
自分がやりたいことを表現したいとか、
自分で枠をつくりたい、
自分の興味を理解してくれる人と一緒に、
自分たちで立ち上げてチャレンジしたい。
そっちがトレンドになってくると思います。
やっている人はいますが、全体としてはまだまだ。
会社や職種、上司や部下、正規や非正規
という既定の枠のなかで戦う構図を描くのは、
ウケる時代じゃないかな、今は。
闘い方が変化したんだと思います。
線引きした向こう側にある、
触れちゃいけない部分に踏み込んで暴く。
そして世間に晒して、社会的制裁を科すみたいなね。
あるいは、
自分を抑えるというより、開放させながら
自分主体で、自分に合う人と、
自分たちでやりたいようにやるんだ!
(無理しない自分に、その自分に合う人だけ選んでる。
実は、これも結構恐ろしいことなんですけどね。)
という個人主体の雰囲気の醸成もある。
それこそ、便利なツールを駆使して
不可能が可能な時代になっている状況です。
最近のドラマのトレンドをみても、
「対立構図に、自分を投影させて」
ドラマを見るというよりは、
ドラマに自分を「入れずに」
どこか客観的に、第三者的に、
視聴者として「楽しむスタンス」
単純な恋愛ものに感情移入ができず
(少し、恥ずかしいとも思っている)
「あな番」のような
展開が読めないものを考察して
スリルを味わう感覚のドラマ。
そういうものを求めているような気がします。
たぶん、現実の裏返し。すべてはココ。
何より、視聴者は無意識に
自分が面白かったドラマと比較して、
どっちが面白いか、ワクワクするかで
気持ちが入るかどうかが、決まる。
当時観ていた人も、ひとまわり
みんな年をとりましたからね(笑)
考え方が変わった人もいれば、
自分の立ち位置が変わった人、
人生が変わった人も。
いまを生きる私たちは、
面白くないけど、ドラマ観るのを続ける
ということはしなくなってるでしょ?
面白くないと思ったら、
あっさり捨てますよね?(笑)
世の中、夢中になるものが
あふれているから、
楽しいものを次から次へと
探し続けて、乗り換え続ける。
この消費のスピードはなかったですもんね。
当時は、ちょっとおもしろくなくても
最後まで付き合う人、結構多かったと思います。
このへんも一定の枠での、人との付き合いより、
自分の意思優先みたいな(飲み会不参加みたいな)
そういう時代の流れがあって、
またその次の、段階に入ったような行動ですね。
多くの世代が同じものを、同じように楽しむ
という時代を経て、いまはそれぞれが各自、
各自の媒体を選び、各自で楽しむという
妙なマンツーマンの時代に。
結局、面白いものを求めているようで
面白いものはなんにもないと達観していて
なにもかも諦めきっている雰囲気。
残念ながら、いまはそんな感じでもある。
もうちょっと時代が進んだら、トレンドは
スマホも捨てて、人間同士のリアルなふれあいに
もう一回、戻ってくるような気もしますよ。
まだもう少し、
便利なものを追求していく時代は
続くと思います。
私たちもまわっているんでしょう。
踊らされ、まわされているんでしょう。
たぶんまた戻ってくると思いますね。