いま問題なのは、働いて稼げなくなって
生活が困窮する人たちへどう給付するか。
ヘタをしなくても毎月の現金収入が
その1か月の生活を支えている人が多い、
ワーキングプアの人や生活困窮者たち。
前にも書きましたけど、
自分より大変な人は、予想以上に多いと
視点をより広くしていかないと。
普通にしてることをやれない人への
自身の感情のエスカレート具合に
気づけなくなっていきますよ。
しあわせな家庭や家族に囲まれて、
普通に暮らせていることが当たり前に
なってしまっているからこそ、
できない人への「なんで?」がつのる。
ワタクシもかつては同じように
働けど働けど、貯蓄すらままならない日々を
送っていましたから。水道止まる手前まで。
ワーキングプアな状況を体験するとわかります。
いろんな義務を果たして、備えて、満たして
生活していくことがどんなに大変かを。
だから、必要最低限で考えるんですよ。
最悪、あれが無くても、あれをしなくてもって。
手元に残ったお金でどう生活していくか
日数で割って一日いくらまで遣えるか思案する。
なきゃないなりに生きていけることを知り、
欲しい気持ちも慣れたらそうでもないと知る。
そうやってギリギリまで、なんとか工夫して
「あっこれでも大丈夫なんだ」を繰り返す。
老後のリスクもあるが生きていなきゃ、
生き続けていなければ、なんの意味もないだろうと。
いまをとり、後のリスクを受け入れる。
世間一般の当たり前をだいぶ、落として生きる。
日給月給で日数が減れば収入も減る。
貯えに回す生活なんかできるはずもなかった。
そんなギリギリの人は、見せないだけでたくさんいる。
むしろ貧乏に見せないために、ギリギリでも
周囲に合わせて同じレベルを保とうとしてしまう。
勝ち組相手にみじめな思いをしたくない、
極力、差を実感したくないという気持ちを
抱えているんだと思います。
ツライから笑うしかない。
笑うしかないからツライんです。
経済全体という視点で考えるならば、
想像してみてください、母親が子に、夫に
財布に、いつも使っている分のお金を渡すイメージ。
ハイ、今月分。無駄遣いしないでね。
と補充するだけでは、変化は生まれないと思います。
出回るお金の全体量が変わらないから。
おそらく国民が「あえて消費を意識的にする」
あえて使うんだ、という行動が必要なんです。
そうしないとお金が回らなくなっていく。
そして、いわゆる裕福な勝ち組たちが、
意識的にお金を回そうとしないと全体が悪くなる。
たぶん、人口の1%にも満たない人のさじ加減で
社会は変わり始めるんですよ、回り出すんです。
お金持ちさん、寄付したり、
無駄遣いしたりしてみませんか?(笑)
まして不安で節約へ向かう大衆心理は、
これまでの災害時と同じで、何度も経験済み。
何度も言ってますが、いつもならこうすべきの
逆をとる意識をとらなければいけない。
いつものパターンは、
いつものパターンの日常にのみ、
有効に働くんですよ。
政府は法律に基づいて同じパターンで
困窮者へ長々と手続きを踏ませて
ようやく手元に届く現金を、
他にやり方がないからと決めつけて
思考停止を続けてる。
今回はスピーディーにやるという話だが、
すぐにでも必要な書類等をアナウンスして
事前に対象者自身が揃えておくことも必要になる。
何もわからずに行って、説明を受けて相談をして
いったん帰されるようでは2倍の時間がかかる。
ここを意識して受け取る市民の側もスピードに
協力する姿勢をとらなければ迅速な給付に
つながらないのではないかと思います。
がしかしですよ、
相変わらずお役所的で要件が細かすぎるんです。
一見するとなんかめんどくさそうに見えますよね。
そして、低所得者層はもしかしたら、
公的なものを逃れてきたような、
ちょっと知られたくない隠し事を
抱えている人もいると想定されます。
今回それが言葉は悪いですが、バレてしまう。
すべて知られて、今後すべて突きつけられてしまう。
そうすると逃げられなくなる。
心理的な負担が増すかもしれないと思うと、
そういうことで二の足を踏むかもしれません。
報道され晒されるかもしれないという恐怖。
消極的になるかもしれません。
だからこそ、全員に給付がいいんです。
いろんな義務を果たし、協力ができるのは
ちゃんと「こなせる」のは、収入が安定して
一定の余裕ある層の人なんですよ。
日常が戻ったとしても、
ずっと変わらなかった日常と
非常時を経た日常は、違いますからね。
人や社会が簡単に数字どおりの日常を
戻せるとは限らないんです。
今後、支給対象者も広げていく必要も出てくる。
なんとか協力してアイデアを出し合って、
意識的に市中経済にお金を回す取り組みを。
怖がらずに経済力のある人はこれを機会に
積極的に預貯金を切り崩しても使っていくべきです。
救ってください、年配者たちの動かぬ預貯金が
日本を救うかもしれません。
どこかお荷物扱いな存在が一転、
大きな社会貢献の救世主になる可能性が・・・。