認める、認めないを考えてみる

他人の意見を認めるのも認めないのも

その意見を受け止める本人の意思であり

本人の基準で決定している



私たちの意思決定の能力は

法律上「ある者」とみなされている人にとっては

残酷なほど自己責任を追求される



集団心理としてもなんとなく

自分でそうするなら…他人がどうこう

って問題じゃないよねと

尊重してるかのようだが、実際は突き放す

あなたが勝手にそうやるだけで

わたしは関係ないので…



現実として、人間はそんなに強くはならないし

メンタルの弱さたるや、人類史上最弱を随時更新し続ける

どんな立場でも常に正しい判断や選択をしているとは

かぎらないのである



そのことを理解している人は多いかもしれないが

実際に意識している人は意外に少ないのかもしれない

言われてみればたしかにそうだ、ということに

自分からはなかなか気づけないものだ



上の立場になればなるほど、どんな世界でも

他人から意見を言われなくなる

組織のなかにいれば、組織のなかにいる時間だけ

正直な意見からは遠ざかっていく

組織のなかに長くいる人間はその上の立場の人に対して

正直にはモノは言えないものだ



有能な経営者たちはそこをキチンと見抜いていて

耳の痛いことを逆に欲するドМの境地へ自分をいざなう

組織に第三者的に関わりをもつ、いわゆる士業の人々は

本来は迎合してはならない組織のなかの住人たちと

いつのまにか同じスタンスで、居心地よくいる自分を

客観視できなくなっていないか



正直に話すにもただ単に正論や法律を並べても

相手のこころは動かないし、受け止める耳をもたない

この理屈でさえ、言われたらたしかにと気づけるのに

自分のこころの奥にしまいこんでしまう

波風を立ててはいけないのだと自分に言い聞かせる



「こころの琴線に触れることばをどれだけもてるか」

士業としても人としても勝負の分かれ目はここにある

他人からは言われたくないことを言われて

それを認めることはワタクシは逆にある種の

「おもしろい気づき」を与えてくれると考えている



あなたもわたしもヒトであって機械ではない

いろんな感情が渦巻くヒトである

分別良く正論や法律ばかりでヒトは動かない

首尾よく、体よく進めるばかりが

働き方改革ではない



あなたのもう一歩も、わたしのもう一歩も

共に相手が身を乗り出してくるもう一歩は

琴線に触れるための一歩にも通ずるものがあるはずだ