私自身が労働者だった頃、正社員への道筋はまだ整備されてなかった

しかし安い時給であっても働く以上は業務の上達や効率を考えて

努力することは当たり前と考え、疑問をもたずに受け入れられたものです



業務を時間内に効率や優先順位を考えながら判断して手順を組み立てる

何時までにこれを終わらせて、時間があるから今のうちにこっちを進めよう

誰に言われるでもなく自然に残業なんかしたくない思いもありましたが

自分のできることのスキルアップを究極的に求めていく感覚に近かった

スズメの涙ほどの時給アップがモチベーションではない

自分の判断のスピードに磨きをかけ、上げていく感覚を磨きたかった



若いときは体力でカバーできるが、年を重ねると効率や判断を

高めることがカギになると感じていたからでしょう

その工夫をしてアイデアを模索したことは、今の自分を形成する

大事な考え方になっていったのです

これはいま思うと貴重な経験だったと思っています



未経験者の仕事で、一番必要なことは未熟な自分を受け止めること

人間は特別な才能を必要とするものを除いて、経験を積んで習熟度が上がれば

ある程度同じレベルにまでは到達できますよね

ただ、そのレベルへの到達する時期が他人と早いか遅いかだけなんです



とある職場では事前の研修を経て、現場に入ってきた正社員が

未熟さを受け止めて、壁にぶつかっても乗り越えて成長する姿も目にしました

あれはなんかいいもんですね、清々しい気持ちになります

彼らは一人前の社員として目指す方向性が定まっていたからこそ

厳しく辛い状況の中でも、自分の気持ちにポジティブな面をつくって

それに応えて成長する実感をしながら、いい循環が生まれていたんでしょう



心が折れてしまう人もいつの時代にもいるはずですが

耐えながら成長を実感できたことはかけがえのない喜びであり

達成感としてその人に一生残ります

喜びや達成感への道のりは、どんな仕事であっても苦難の連続

厳しい状況でひと踏ん張りできるかどうか

これが成長への分岐点になっていくと感じます



しかし昨今は苦難に負けを認めて奮起もしない人や

自分に理由づけした結果、逃げてしまいがちになる若年層が増えてきています

それはなぜなのかを考えてみたいと思っています