僕はよく奇妙な出来事に遭遇します。
でもそれはおそらく、幽霊の類ではありません。ただの幻覚です。僕が見えているものは、他の誰にも見えません。
つい最近、用事があって外出した時の話。
家を出て、目的の場所へ向かう途中、奇妙な落書きを見つけた。
まんまるの大きな黒い目に棒線の口。
鼻は無く,髪はぼさぼさの、女の人の顔の落書きだった。
それが、小さく電信柱に書かれている。
丁度僕の目線にあったため、「変な落書きだな」と思ったが、特に気にはしなかった。
帰りに同じ電信柱を見たが、顔の落書きは消えていた。
「行く時ここにあったんだけどな………誰か消したのかな?」
そう思いながら家へ向かって歩いた。
落書きのあった電信柱から百メートルほど進むと十字路がある。その十字路を右に曲がると家がある。
十字路に着いて、右に曲がろうとしたとき、何かに引っ張られるように振り返り、十字路の少し前にある電信柱を見た。
その電信柱にあった。顔の落書きが。
行く時見たものと同じ、女の顔の落書きだった。
少し笑っていた気がする。
怖くなったので走って家に帰った。
自分の机に座るが、全然落ち着かない。
気を紛らわせるため、パソコンを起動して音楽を聴くことにした。
電源を入れてしばらく待つと、パスワードを入れる画面になる。
パスワードを入れようとした瞬間
一瞬画面に落書きの女の顔がうつった。
不気味なほど笑っていた。
心臓止まるかと思ったよ。本当に勘弁してくれ。
