毛沢東の身長は172センチ? | Observing China

毛沢東の身長は172センチ?

その身体の大きさ、背の高さから習近平を毛沢東になぞらえる向きがあったが、改めないといけないかもしれない。

毛は身長180センチ以上の大男だった、というのがこれまで党の「正式見解」だったが、中国のネットで「毛沢東の身長は172センチしかない」あるいは「せいぜい175センチだった」という指摘が静かに広がっている。

07年にネチズン「裏紅布的麦克風」がブログで疑問を唱え、続いて昨年、学者の章立凡が雑誌「随筆」で書いた175センチ前後ではなかったか、という文章があちこちにコピペされている。

二つの文章とも、毛が世界の要人と一緒に映った写真をその根拠にしている。例えばニクソンと握手している下の写真では、182センチとされるニクソンより明らかに低い。150センチの鄧小平と比べても、それほど巨大というわけではない(それにしてもこの1959年の鄧小平、闘志あふれる実にイイ顔をしている)。

章の文章によれば、「毛180センチ以上」説の根拠は元秘書である葉子龍の回想録だ。「党中央」が章たちの文章に必死に反論しているところを見ると、図星なのだろう。

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確かに毛が172センチ(あるいは175センチ)しかなかった、と言われると、その神格性がかなり揺らぐ印象を受ける。昭和天皇とマッカーサーの並んだ写真が敗戦直後の日本人に与えた衝撃を例にとるまでもないが、身長の低さがマイナスに働かなかったのは、それこそ「闘将」鄧小平(ダジャレではない)ぐらいだろう。

■□論争に終止符を打つ究極の方法■□

そもそも毛は湖南省出身。中国人は一般に北方人は背が高いが、南方人はそれほど身長は高くないから、172センチでもちっともおかしくない。むしろ50年前なら172センチでも「大男」だっただろう。

それが10センチも下駄を履かせることになったのは、本人と中共にとっての統治上の必要性もあったが、何より当時の中国人民が「強くて大きいリーダー」を欲していたのだと思う。

いまになって毛の身長の虚飾がはがされようとしているのは、その神格性の終わりが近づいている証拠なのかもしれない。中国人民はもう「強くて大きい毛沢東」がなくても生きて行ける、というわけだ。

論争に終止符を打つ究極の方法がある。天安門広場の毛主席紀念堂にメジャーを持って行って「遺体」の身長を計ればいい!

まず衛兵に羽交い締めにされるだろうけど(笑)。「遺体」がそもそも遺体かどうか分からないし。