副主席からのショートメール
「もしほかの社区(コミュニティ)の書記が受け取っていなかったら、とても信じられなかった。国家副主席の習近平から“あいさつメール”が直接来るなんて!」
6日午後、習近平からのショートメールを受け取った杭州市翠苑街道翠苑三区社区の孫衛平書記は最初信じられなかったらしい。確認の電話をかけてホントと分かり、うれしくて飛び上がった孫書記は家に帰って家族に携帯の画面を見せびらかした――。(銭江晩報から)
全国の基層レベルで進める党建設工作の携帯連絡システムが6日開通し、習近平からあいさつの短信(ショートメール)が送られた。内容自体は「全国基層党建工作携帯情報システムは今日開通しました! 党中央を代表して全国の基層組織の書記と各村の役人を務める大学生の皆さんにごあいさつします! 習近平」という至極簡単なものだったが、その意味するところはそう単純でもない。
前にも触れたとおり、習は地方官僚を経て党中央にいたった「地方派」の政治家である。その習が全国100万(!)の基層レベルの党幹部に年初のあいさつをするということは、とりもなおさず自らの拠って立つ基盤が「地方」にあることを高らかに宣言しているのに等しい。
それに3月の全人代に先立つこの時期に、「老百姓」レベルに向かって自らの存在を広範にアピールするということは、2012年のトップ継承へ向けた(小さな)布石の1つとみて間違いなかろう(胡錦濤がシットしないか心配だが)。
■□「手紙」がお好きな国家副主席□■
この話にはおまけがある。上の写真をよく見てもらえれば分かるが、ショートメールの上のほうに「自+8613757185430」という番号が表示されている。この番号を習近平本人の携帯番号と勘違いした全国100万の基層幹部から6日午後、一斉に電話とショートメールが殺到したため、この番号の「持ち主」の携帯がパンクしたらしい。(人民網から)
人民網は「習副主席のショートメールは情報システムの“12371”プラットフォームから送信された。この写真のメールは転送されたもの。6日から7日の出稿時まで電話をかけたがつながらなかった」と書いている。いくらなんでもそんな間抜けなことはしないと思うが、やたら詳しく書いているところが怪しくなくもない。
しばらくしたら、この番号にかけてみよう。国家副主席と話できるかもしれない。それにしても、「手紙」が好きな人だ。