習近平の来日と2・26事件 | Observing China

習近平の来日と2・26事件

すごい。小沢がキレまくっている(↓)。

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習近平の天皇会見ゴリ押しに加担したと非難の集中砲火を浴びている民主党の小沢幹事長が14日、党本部で会見して

「国事行為は内閣の助言と承認で行われる。ナントカっていう宮内庁の役人が、どうだこうだ言ったそうだが、全く日本国憲法、民主主義を理解していない」
「宮内庁の役人が作ったからって、絶対だなんて、そんなバカな話あるかっつうんですよ(一カ月ルールについて)」

と、小沢節を炸裂させた。また小沢は

「陛下の体調がすぐれないなら、優位性の低い(ほかの)行事にはお休みになればいい」
「天皇陛下に聞いたら、『会いましょう』と必ずおっしゃると思う」

とも述べた。

以前書いたとおり、民主党が今回中国外交部のゴリ押しを受け入れたのは失敗だったと思う。他国(とくに大国)の要望に応じて国内ルールを変更すべきかどうか、という命題に対する最良の回答は、ニコライ皇太子暗殺未遂事件で司法権の独立を守った「大津事件」だが、それはそうとして、小沢の「体調がすぐれないなら、優位性の低い(ほかの)行事を休むべき」「本人に聞いたら『会う』と必ず言う」という理屈はそれなりに説得力がある。

確かに、今回攻勢に出ている保守派の「陛下のお体が…」という主張は、天皇本人の意思を反映したものかどうかは分からない。小沢が言うとおり、本人に聞いたらあっさり「じゃあ、会うよ」という気もする。本当に体調不調なら、学習院のコンサートには行かないはずだ。

「陛下は1カ月という期間を使って、相手国のことを熱心にお調べになられる。そのことに会見した相手国の首脳が感激する(そしてそれが国益になる)」というロジックも、保守派が言う天皇の政治利用に当たる気がする。

想像上の「天皇の意思」をめぐって、二つの派閥が抗争を繰り広げる――70年ほど前にも同じ光景があった。2・26事件だ。事件は皇道派が「勝手に」天皇の意思を忖度して要人を暗殺し、「勝手に」天皇の意思を好意的に解釈しようとした日和見主義の軍幹部がクーデターを支持しようとしたが、最後は本人に叱られる…という経緯をたどった。

一連のやりとりを見ていると、天皇をめぐる日本政治の基本構造(というか、日本人のメンタリティ)が戦前から変わっていないことがよく分かる。