明治通りの大正大学にすがも鴨台観音堂と言うのが2013年、大林組によって作られたそうです。これが、サザエ堂と言う建築物です。中にらせん階段が、2本通っているだけのものですが、同じ向きのらせんだと、並行して作っても途中で交差することはありません。DNAの二重らせんと同じことなのです。解説者は右向きと左向きのらせんと書いていますが、これは誤りだと思います。(まき方が違うと交差してしまいます。)ただ、同じらせんを登るときと下るときでは向きが違うと判断してしまいますが、進行方向に向かって判断するからです。もっとくどく言えば、右ネジと言うのは締めるときの方向で判断しますが、緩めるときは左向きなのです。方向が違えばどちらとも言えなくなります。さて、らせん階段では、1つの階段をのぼりに使い、もう1つを下りに使うと、同じように巻いているのですが、右左が違うと考えてしまいます。
この階段の仕組みにイタヅラに興味を抱いたのが江戸の人たちで、やたらこういうものが関東と東北に作られたようです。堂が階段だけという構造では作るのが面倒でそれほど現存してはいません。旧正宗寺 三匝堂(福島県会津若松市)には、この前行って来たのです。一見に値すると思いました。廃仏毀釈の影響で現在は個人の所有物になっておりますが、ぼろぼろで、無料で開放されていることに魅力があります。飯盛山と言う白虎隊を祭った墓のあるところで、多分飯盛さんの所有の様です。
他に、旧正宗寺 三匝堂(福島県会津若松市)、成身院 百体観音堂(埼玉県児玉町)、弘前禅林街の栄螺堂(青森県弘前市)は中に入れるようです。
ところで、らせんはhelixなのです。形容詞や状態を表す言葉として、helicoidがあります。ヘリコイドの仕組みはカメラのレンズのピント合わせに使われています。たいていの人は手で回してピントを合わせることをしなくなりました。しかし、モーターとコンピューターで回しても、ヘリコイドの仕組みになっています。栄螺堂をヘイリコイ堂とあだ名している人もあります。特徴は同じ回転数でも前後に大きく動かせることです。
身の回りにある多重のネジはビンの蓋です。らせん1本からなるネジ、2本、4本と色々あります。らせんの数はビンの口を見るとらせんのは入り口が何本あるかで分かります。瓶詰などは4本のらせんネジが多いです。お茶の綾鷹プラボトルは1本ネジですから、くるくる回さないと締まりません。uccのコーヒー缶は4本です。少し回すと締まります。Libertyの液状糊のプラの蓋は2本ネジです。Thermosの魔法瓶は1本ネジです。蓋にネジを付ける様になったのはいつ頃からなのでしょう。
金属のボルトナットのネジは1本ネジです。この方が傾斜が緩やかで少ない力で強く締め付けられるのでしょう。早く閉まるか、強く締めるかが違うようです。階段の方は空間の利用と、らせん階段と言うからくりが面白いという事なのでしょう。