前回の記事で、日本の最強の盾である「高額療養費制度」が5年後に形骸化するカウントダウンについてお話ししました。
今回は、そのさらに一歩先、私たちが直面することになる「まさか」の現実についてお話しします。
近い将来、あなたが大きな病院の受付に立ったとき、こんな質問をされる時代が本当にやってきます。
「当院では、入院前に民間の医療保険の加入確認、または保証金として30万円をお預かりしておりますが、どちらにされますか?」
これはブラックジョークでもSFのディストピア小説でもありません。
医療インフラが崩壊していく過程で、病院側が生き残るために実装せざるを得ない、極めてリアルな「与信管理(防衛コード)」のプロトコルです。
1. 世間が大好きな「自己責任論」が命のレイヤーに極まる日
ネットのコメント欄を見渡せば、どこもかしこも「自己責任論」で溢れかえっています。
誰かの困窮やビジネスの失敗を見ては、画面の内側からマウントを取る道具として消費されている。
しかし、彼らは1ミリも想像していません。
まさかその自己責任論の冷酷な牙が、近い将来「自分の命の選択(生存のトリアージ)」にまで剥き出しで襲いかかってくるなんていうことを。
国は「高額療養費制度を廃止する」とは言いません。
ただ、上限額を跳ね上げ、対象外の薬や治療をジワジワと増やしていくだけです。
それはつまり、最上位システムである国家が、「国としてのセーフティネットのラインはここまで下げました。ここから先を生きて帰りたいなら、それは個人の『自己責任(民間保険や私財)』で勝手に処理してください」と、リスクをこちらに丸投げすることを意味します。
その結果、病院の窓口は「出せるお金(民間保険のスペック)」に応じて医療のメニューをトリアージする場所へと変貌するのです。
2. 最終防衛ライン『生活保護』の強制デバッグと外国人問題
この「他人の命のコストまで負いきれない」という究極の自己責任論が社会に行き着く最果て、それは国家の最後の防衛ラインである「生活保護制度(ナショナル・ミニマム)」の機能不全と、その原資を巡るドラスティックな奪い合いです。
現在の生活保護には、医療費の窓口負担が「実質100%免除(タダ)」になるという強力な特権(医療扶助)が実装されています。
しかし、現役世代が身を粉にして働き、高い社会保険料を払っても窓口で大金を毟り取られる世界になったとき、システムに現金を補給していない層が「100%のおもてなし」を受け続ける非対称性に、現役世代の怒りが爆発するのは時間の問題です。
国家全体のパイ(財源)がシュリンクし、自国民の命すら守れなくなっていく極限状態において、国がこの巨大なコストに手を突っ込む際、最初に排除(BAN)されるオブジェクトは明白です。
政治的な摩擦が最も少なく、圧倒的な世論の同意を得やすい「外国人への生活保護支給の停止(削減)」です。
法的なガバナンス(最高裁の判例)において、生活保護法の対象に外国人は含まれないとされており、現在はあくまで自治体の「人道的な措置」という曖昧な仕様で運用されているに過ぎません。
「なぜ自国民の盾を削りながら、他国のサイボーグを保護し続けなければならないのか」という問いは、感情論ではなく「国家の生存戦略」としての絶対的な正論となり、最初のデバッグコードとして執行されるでしょう。
■ 結論:国の政策は「頼る」ものではなく「利用する」もの
大衆は、美容医療の闇、高額療養費制度の改悪、生活保護や外国人の問題を、それぞれ独立したニュース(ノイズ)として消費していますが、その根底にあるのはすべて「人口構造の激変による、国家財源の枯渇」という一本のメインプログラムです。
日本の社会保障OSは、「人口が右肩上がりに増え続ける」という昭和の一時的なチートデータを前提に組まれた、脆弱な単機能プログラムでした。
最初からこの未来を読めなかった(読まなかった)古いシステムを、今さら盲信(信仰)する方がよっぽど危なっかしい。
知性を持つobserverが今取るべきマインドセットは一つ。
国の政策や制度を「自分を守ってくれる親」として頼るのをやめ、仕様(ルール)を徹底的にハックし、自分の生存のために「利用する」側へと回ることです。
国が防衛ラインを下げ、民間インフラへの移行期間(猶予)を提示している今のうちに、上限額が跳ね上がってもビクともしない資産を構築し、公的保険の穴を埋めるための「民間保険(自己防衛OS)」を先回りでインストールしておく。
他人の作った破綻確定のクソゲーのルールが変わる前に、一足先に『外側』へログアウトした人間だけが、5年後、10年後の世界を涼しい顔で生き残ることができます。
他人の作ったルール変更に振り回されない、確固たる「自己防衛の基盤」を。