夕暮れのオヤジ | うちの父ちゃんはアフリカン

夕暮れのオヤジ

今日の夕方、ATMを使うために近所のスーパーへ行きました。


二台分並んであいている駐車スペースがあったので、

その左側に車を停めて、さて行くか、とドアを開けたら、

隣の駐車スペースに猛然とバックしてきた車の窓が開き、



「人が停めようとしとる所になんで停めるんじゃ、ゴルァ!!」



――と、超・怒りまくった怒鳴り声。


声から察するに、年のころ55~60くらいのタコおやじ。


どうやら、自分が停めようとしていた場所に私が横入りしたとかで、

怒り狂っているようなのですが…


そんなこと言ったってアナタ。


ハザードでも出していたならともかく、

前をフラフラ走ってた行きずりのオヤジ

どこに車を停めるかなんて、

私に分かるはずがないではありませんか。


しかも隣にも駐車スペースが開いていて、

実際、既にオヤジは駐車を終えているのです。


ほんの数十センチ駐車場所がズレたからって、

そんなに怒るこたぁないでしょうに…


――とまぁ、私にも色々と言い分はあったのですが、

そんなところで通りすがりのオヤジと事を構えても仕方なし。

まったく聞こえないフリをして、小走りにその場を去ったのでした。



で、3分くらいで用事を終えて急いで戻ってきてみると、

なぜか運転席のドアが半ドアになってる。


なにごとかと、助手席で本を読んでた長男8歳に聞くと、



ヘンなじじいがドアを開けてワーワー喚いとった」という。



どうやら私に怒鳴っただけでは飽き足らず、

車に残された息子にまで、ひとくさり愚痴をうなっていったようです。



…いい年こいたオッサンが、

たかだか駐車スペースひとつのことでキーキー喚き倒すとは、

なんたるキンタマ袋の小ささか。



しかも、そこまでして停めたかったはずの車の姿は既になし。

まったく、世の中おかしな人が増えました。



ちなみに、見知らぬオヤジの怒鳴り込みを受けた息子は、

怖さのあまり助手席の足元にうずくまっていた…

なんてことはまったくなく、


「聞こえんフリして『ミスター味っ子』を読んどった」


…だそうです。



わが息子ながらなかなか天晴れな対応ぶりに、

思わず内心拍手喝采してしまった夕暮れでした。