◽️◽️⏬すごい!幸四郎も登壇!⏬◽️◽️




 松本幸四郎主演・

新たな鬼平犯科帳、SEASON1。


1月の『本所・桜屋敷』

5月の『劇場版  血闘』に引き続き

第三弾『でくの十蔵』ーー。


『本所・桜屋敷』のような華やかさはない。

『劇場版 血闘』のような派手さはない。

でも「これぞ鬼平犯科帳…!」という重厚な

人間ドラマをじっくりと見せてもらった。


平蔵の部下の犯したあやまちに端を発し、

やがて哀しい結末を迎えてしまう…。


遊び慣れていない生真面目な男が、

妻や勤め先の上司や同僚を欺いてまで

これまた生真面目な女を囲った末路…。


今よく使われる意味での

「末路」という言葉。

自分はあまり好きではないのだけど、

十蔵の末路はあまりに哀しい。


久栄の言った「その女房を選べば、

皆が不幸になります」、まさにその通り。


好いた夫を殺めてしまうほど、

情の深いおふじ。

おふじに出会って

初めて夫婦の情を知った十蔵。

男女の関係はあれど、

二人の"純愛"は哀しいくらいにピュア。


モラハラぶりが凄い十蔵の妻・お磯。

なかなか嫁の貰い手がないなか、

持参金100両を携えた十蔵への嫁入り。

その100両が貧しかった小野家にとって

どれだけ助けになったろうか。

自分の存在価値をそこにしか

見出だせなかったんだろうな…。

決してよき妻ではなかったが、

よい母親ではあったお磯。


十蔵の遺書にはおふじとお順のことは

書かれているが、お磯と娘おゆみのことは

一切触れていない。

せめておゆみには一言あっても…と。

十蔵のことだから、最期、

眠るおゆみに何か語りかけたかもしれない。


もし十蔵とお磯が円満であったらな…と。


もっと他に手立てはなかったのかと思う。

もっとうまく立ち回れたはずなのにと思う。


でも、それが、人間だもの。

思いどおりにいかないのが、人間だもの。


夫婦関係に限らず、

人間と人間が交わりあうこの世の中。

誰も彼も、程度の差はあれ色々と

日々何かしらやらかしてんだよなぁ。。

それでも毎日は続くわけで。

無様だろうがなんだろうが

その時その時を、

必死に生きていかなきゃいけない。


過去に盗みに入り、人を殺め、

女を犯してきた粂八も、また。

残っていた自分の良心に従い、

この後『血頭の丹兵衛』以降、鬼平の狗に。


その本心を炙り出すための

鬼平の苛烈な責め…。この平蔵、まさに鬼!

拘束された粂八の足の甲を短刀でブッ刺す。

しかもそれを足でぐいぃっと踏みつける!

「…痛い!コレあかんやつやって!」と、

初見は顔をそむけてしまった自分。

まぁ五寸釘と熱い蝋を垂らされんだけ、

まだ……。


残酷なシーンだけど、

自分の犯した罪と向き合い悩む粂八を

"救い出した"、鬼の平蔵の慈悲を感じた。


純粋に幸四郎ファン的に申し上げますと…

このシーンの幸四郎の低音ボイス、

たまりませんわ♡

一瞬、これ幸四郎の声?と思ったほど、

吉右衛門の声にそっくりで…。感動。

あまりに良い声でリピートして観てるけど、

なんなら自分にも

耳元で囁いてほしいくらいだけど、

ざんばら血濡れの粂八が

セットでついてくるのはご愛敬で♡

粂八の和田聰宏、すごく良かった。


おふじの娘・お順を

長谷川家で引き取るラスト。

唯一の希望。

"盗賊の娘"と言われても、

おふじにも十蔵にも

望まれて産まれた幸せな赤子。

後に事件に巻き込まれることがあっても、

平蔵と久栄の下でなら、

きっと優しくて強い娘さんに育つだろう。


火盗改内部に関わるお話だったので、

平蔵も佐嶋もメンバーも

一際つらかったろうなぁ…。

信頼する部下のこと、

自身の母のことなども、

色々と思いを馳せたであろう平蔵の背中…。

今回も心に染み入りました…。




でくの十蔵こと小野十蔵を演じた柄本時生。

『血闘』で九平を演じた父・柄本明も、

吉右衛門版で十蔵を演じた。

初代白鸚と吉右衛門も、幸染もそうだけど、

親子で同じお役を演じるってのは

やっぱり凄いし、面白い。


今回の作品の公開順。うまいなぁと思った。

観る側に新キャストが

しっかり定着してからの……

『でくの十蔵』『血頭の丹兵衛』ニクイね!



そして次回!SEASON1の最終話。

『血頭の丹兵衛』に御大登場!!

きゃ~、古田新太ですよ!!



古田新太と幸四郎の共演♡♡♡

楽しみ♡♡♡


さぁさぁ、

来月は久しぶりの歌舞伎座行きもあるし。

それまでには体調が戻りますよう!

今日もがんばるど!